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ためこみ症とは?症状の特徴と、ただの片付け下手との違い

メンタル・再発防止

ためこみ症とは?症状の特徴と、ただの片付け下手との違い

「久しぶりに実家へ帰ったら、廊下まで物で埋まっていた」「捨てようと言った途端、親が人が変わったように怒り出した」「自分でも、なぜここまで物を手放せないのかわからない」。ためこみ症という言葉を調べている方は、こうした戸惑いの中にいるのではないでしょうか。

先に、片付けの現場に伺う私たちスタッフの見解からお伝えします。ためこみ症は、性格や努力不足の問題ではなく、物を手放すことに強い苦痛が伴い、生活空間が使えなくなるほど物がたまっていく状態として、医学的にも位置づけられている病名です。ただの片付け下手との違いは「物の量」ではなく、「手放すときの苦痛の強さ」「暮らしへの支障」「本人の困り感のズレ」に表れます。そして、物を無理に捨てることは解決にならず、受診や相談と片付けを並行させる進め方が、遠回りに見えて近道になることが多いと感じています。この記事は主にご家族(親・子・配偶者)に向けて書いていますが、ご本人、そして賃貸物件の大家さん・管理会社の方にも役立つ形で、ためこみ症の特徴、片付け下手との見分け方、何科を受診するか、片付けを進めるときの注意を整理しました。

ためこみ症とは?物を手放せず、生活空間が埋まっていく状態

ためこみ症(hoarding disorder)は、実際の価値にかかわらず物を捨てたり手放したりすることが持続的に難しく、その結果として生活空間が物で埋まり、暮らしに支障が出ている状態を指す病名です。アメリカ精神医学会が2013年に公表した診断基準(DSM-5)で、強迫症と関連する一群のひとつとして独立した診断名になり、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類(ICD-11)にも「ためこみ症」として収載されています。比較的新しい病名のため、医療関係者の間でも認知が広がっている途中だとされており、「そんな病気があるとは知らなかった」というご家族は少なくありません。

診断の目安とされている要素(アメリカ精神医学会の基準より)

アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)では、ためこみ症について大きく次のような要素が示されています。

  • 実際の価値とは関係なく、所有物を捨てたり手放したりすることが持続的に難しい
  • その困難さは、物を取っておきたいという欲求や、捨てることに伴う苦痛から生じている
  • 結果として物がたまり、居間・寝室・台所など生活のための空間が本来の用途で使えないほど散らかっている
  • ためこみによって本人に強い苦痛があるか、社会生活・仕事・家庭内の安全などに支障が出ている

加えて、必要のない物を買いすぎたり、無料の物をもらい続けたりする「過剰な取得」を伴う人が多いとされています。ただし、これらは医師が診察のうえで、ほかの病気の影響ではないかも含めて総合的に判断するものです。当てはまる項目を数えて、ご自身やご家族が診断するためのものではありません。

どれくらいの人に見られるのか

海外の調査では、人口の2〜6%程度【要確認:DSM-5に記載された欧米での推定有病率】に見られると報告されています。日本での大規模な調査はまだ限られています【要確認:国内の有病率調査の有無】が、決して珍しい状態ではないと考えていただいてよいでしょう。症状は若いころから始まり、年齢とともに少しずつ強まって、中高年になってから周囲が気づくことが多いとされています。片付けの現場でも、「昔から物持ちはよかったけれど、ここ数年で部屋が使えなくなった」というお話をご家族からよく伺います。

ゴミ屋敷の背景がすべてためこみ症とは限らない

いわゆるゴミ屋敷の背景には、ためこみ症のほかにも、うつ状態による意欲の低下、ADHDなど発達障害の特性、認知症、セルフネグレクト(自分の世話ができなくなる状態)などが関わっている場合があるとされています。見た目は似ていても入口が違うため、関わり方や相談先も変わってきます。背景ごとの傾向は、精神疾患とゴミ屋敷の関係を解説した記事で詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。

ためこみ症の特徴的な症状|家族が気づきやすい5つのサイン

ここからは、ご家族が「もしかして」と感じやすいサインを、現場で伺うお話も交えて整理します。繰り返しになりますが、サインが当てはまることと診断は別のものです。受診や相談を考える目安として読んでください。

サイン1:捨てる話になると、別人のように強く拒む

ためこみ症の中心にあるのは、物を手放すときの強い苦痛だとされています。空き容器やチラシのように、周囲から見れば明らかに不要な物でも、本人にとっては「いつか使う」「捨てたら取り返しがつかない」「自分の一部を失うようだ」と感じられることがあります。そのため、家族が軽い気持ちで「これ捨てていい?」と聞いただけで、普段は穏やかな人が激しく怒ったり、泣いたり、黙り込んでしまったりします。この反応の強さは、面倒で片付けを後回しにしている人には見られにくいものです。

サイン2:使わない物が増え続ける(過剰な取得)

捨てられないだけでなく、物を家に入れ続ける傾向を伴う人が多いとされています。特売でまとめ買いをする、無料の配布物やチラシを持ち帰る、通販で同じ物を繰り返し注文する、人からもらった物を断れない、などです。同じ種類の洗剤や調味料、未開封の日用品が何か所にも分かれて積まれている部屋は、現場でもよく見かけます。

サイン3:部屋が本来の用途で使えなくなっている

外から見て最もわかりやすいサインです。ベッドの上に物が積まれて床の隙間で寝ている、台所のコンロや流しが物で覆われて調理できない、浴室が物置になって入浴ができない、座る場所がなく来客を家に上げられない、といった状態です。収納があふれているという段階ではなく、「生活する場所」が物に占領されているかどうかが、見分けのポイントとされています。

サイン4:整理しようとした跡はあるのに、分類できていない

物を大切にしている一方で、整頓はされていないことが特徴だとされています。趣味で集めたコレクションのように、種類を限って整理された状態とはここが違います。本人なりに小分けのビニール袋や箱にまとめようとした跡はあるのに、中身が混在していて結局どこに何があるかわからず、必要な書類や薬が見つからない、という部屋も多く見られます。

サイン5:本人が困っているように見えない

周囲が最も戸惑うのがこの点です。ためこみ症では、ためこみを問題だと認識している人もいれば、あまり問題だと感じていない人もいるとされています。家族が深刻に心配しているのに、本人は「どこに何があるか把握している」「自分の物を勝手に触らないで」と反発する。このズレが話し合いを難しくし、家族を少しずつ疲れさせていきます。本人を変えようとする前に、まず周りが状態を理解することが、関わりの出発点になります。

「捨てようと言うと親が激しく怒ってしまう」「人を家に入れてもらえず、中の状態すらわからない」という段階でも、今の状況を聞かせていただくだけで大丈夫です。ご相談・お見積もりは無料で出張料もかからず、他社との相見積もりも歓迎しています。受付は24時間365日ですので、ご家族の都合のよい時間にご連絡ください。

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ただの片付け下手との違い|3つの見分けの目安

「うちの親は物持ちがいいだけ」「自分は片付けが苦手なだけだと思う」。そう感じる方も多いはずです。実際、物が多いこと自体は病気ではありませんし、片付けが苦手な人は大勢います。ためこみ症との違いは物の量ではなく、次の3つの点に表れるとされています。

違い1:手放すときの苦痛の強さ

片付けが苦手な人は、面倒で後回しにしているだけで、いざ捨てると決めれば「すっきりした」と感じることがほとんどです。一方、ためこみ症が疑われる場合は、捨てる行為そのものに強い不安や悲しみ、怒りが伴い、捨てた後も長く後悔や苦痛が続くことがあります。「捨ててもいいと頭ではわかっているのに、手が動かない」という訴えも、現場でよく伺います。

違い2:暮らしへの支障の程度

散らかっていても、食事・睡眠・入浴・火の始末が普通にできているなら、暮らしは回っています。ためこみ症の診断基準では、生活空間が本来の用途で使えなくなっていることや、安全が保てなくなっていることが要件のひとつとされています。寝る場所が物に押し出されている、通路が細くて転びやすい、コンロの周りに紙類が積まれている、といった状態は、片付け下手の範囲を超えているサインです。

違い3:一時的か、年単位で進んでいるか

引っ越しや家族との同居・別居の直後など、一時的に物があふれることは誰にでもあります。ためこみ症は慢性的に経過し、波はあっても年単位で少しずつ悪化していくとされています。「いつからこうなったか」をご家族が振り返ると、数年以上前から同じ傾向が続いていることが多いものです。

3つの違いを一覧にすると、次のようになります。

捨てるときの気持ち 片付けが苦手:面倒で後回しにしがちだが、捨てれば気持ちが軽くなる
ためこみ症が疑われる:捨てること自体に強い苦痛があり、捨てた後も後悔や不安が続く
物の増え方 片付けが苦手:忙しさや生活の変化で増えるが、落ち着けば減らせる
ためこみ症が疑われる:使わない物を買う・もらう・持ち帰ることが止まらず、同じ物がいくつもある
生活空間の状態 片付けが苦手:散らかっていても、寝る・食べる・入浴する場所は使える
ためこみ症が疑われる:ベッド・台所・浴室などが物で埋まり、本来の用途で使えない
期間と経過 片付けが苦手:一時的で、きっかけがあれば元に戻せる
ためこみ症が疑われる:年単位で続き、少しずつ悪化している
本人の受け止め 片付けが苦手:「片付けなきゃ」と本人も思っている
ためこみ症が疑われる:困っていないと感じている、または物に触れられることに強く反発する

この表は、受診や相談を考えるための目安であって、どちらに当たるかを決めるためのものではありません。ためこみ症かどうかの判断は医師が行いますので、気になる場合は次の章でご紹介する相談先にご相談ください。

ほかの病気や状態が背景にある「ためこみ行動」との違い

うつ状態で片付ける気力が出ない、ADHDの特性で段取りや優先順位づけが苦手、認知症で分別や収集日がわからなくなる、といった場合にも物はたまります。こうした状態はためこみ症と区別されることがあり、一方で両方が重なっているケースもあるとされています。どれが背景にあるかで支援の入口が変わるため、片付けが止まる理由を切り分けたい方は、ゴミ屋敷が片付かない原因と対処法をまとめた記事もあわせてお読みください。また、物をためることより、食事や入浴など自分の世話そのものが止まっている場合は、セルフネグレクトによるゴミ屋敷問題を解説した記事が参考になります。

ためこみ症が疑われるとき、何科を受診する?家族だけでも使える相談先

ここは、ご本人にもご家族にも読んでいただきたい部分です。「病院に行くほどのことなのか」とためらう方は多いのですが、受診は「ためこみ症だと決めつけるため」ではなく、「背景に何があるのかを専門家に見てもらうため」のものです。

受診先は精神科・心療内科が基本

ためこみ症は、精神科・心療内科の領域で扱われる状態です。かかりつけ医がいる場合は、まずそこで相談し、必要に応じて紹介してもらう方法もあります。高齢の親御さんで物忘れも気になる場合は、もの忘れ外来など認知症の専門外来が入口になることもあります。治療については、認知行動療法を中心とした治療が行われているとされていますが、どのような治療が合うかは個別の状況によりますので、診察のうえで医師にご相談ください。

本人が受診を拒むときは「家族だけの相談」から

本人に困り感が乏しい場合、受診をすすめるほど関係がこじれることがあります。そのときは、ご家族だけで相談できる窓口から使ってください。厚生労働省が、こころの健康に関する相談先として案内している精神保健福祉センター(都道府県・指定都市が設置)や、保健所・市区町村の保健センターは、ご家族からの相談にも応じています。高齢の方であれば地域包括支援センターが、発達障害の特性が気になる場合は発達障害者支援センターが相談先になります。窓口の名称や対応範囲は自治体によって異なりますので、お住まいの自治体でご確認ください。

精神科・心療内科・かかりつけ医 捨てられなさ、気分の落ち込み、物忘れなど心身の変化が気になるとき。通院中であれば、主治医に部屋の状態も相談できます
精神保健福祉センター 都道府県・指定都市が設置する、こころの健康の専門相談窓口。本人が受診を拒んでいる段階でも、ご家族からの相談に応じています
保健所・市区町村の保健センター 身近な地域のこころの健康相談。保健師などが対応し、状況によっては訪問などの支援につながることもあります
地域包括支援センター 高齢の方の暮らしの総合相談窓口。認知症やセルフネグレクトが心配なときの、最初の相談先になりやすい窓口です
発達障害者支援センター ADHDなど発達障害の特性が関係していそうなときの相談先。大人になってから特性に気づいた場合も相談できます

受診・相談のときに伝えると役立つこと

言葉だけでは状況が伝わりにくいため、部屋の写真(本人の同意を得て撮ったもの)、いつごろから物が増えたか、捨てる話をしたときの反応、食事・入浴・睡眠がとれているか、火の元や転倒の危険があるか、をメモにしておくと相談がスムーズです。ご家族が本人に「病気かもしれない」と直接伝えるのは避け、「最近眠れていないように見えて心配」のように、体調への心配として話すほうが受け入れられやすいと感じています。

治療・支援と片付けを同時に進めるときの4つの注意

ためこみ症が疑われる方の部屋は、「全部捨てればリセットできる」というものではありません。むしろ、本人の同意なく一気に処分すると、強い苦痛や不信感から症状が悪化し、その後の治療や支援まで拒まれることがあるとされています。ここでは、ご家族と、賃貸物件の大家さん・管理会社の方に向けて、片付けを進めるときの注意をまとめます。

注意1:本人の同意なく処分しない

捨てる・残すの判断は本人に残し、家族や業者は「運ぶ・分ける・運び出す」を担う形が基本です。留守中に片付けてしまうことは、ためこみ症が背景にある場合、関係の修復が難しくなるほど本人を傷つけることがあります。大家さん・管理会社の方は、室内の物は入居者の所有物であり、同意なく処分すると法的なトラブルにつながるおそれがあるとされていますので、まず本人や連帯保証人・緊急連絡先と連絡を取り、対応に迷う場合は弁護士などの専門家にご相談ください。

注意2:目標を「全部片付ける」から「安全と衛生のライン」に下げる

最初の目標は、通路を確保して転ばないようにする、コンロやコンセントの周りから燃えやすい物をどかす、寝る場所と食べる場所を取り戻す、トイレと浴室を使えるようにする、の4点で十分です。ここまで整えば、暮らしの安全は大きく変わります。残りは治療や支援の進み具合に合わせて、少しずつ進めてかまいません。範囲が小さいほど、本人も同意しやすくなります。

注意3:迷う物は「保留箱」へ、作業は小さく区切る

捨てる・残すの二択を迫ると、手が止まります。迷った物は箱に入れてフタをし、日付を書いて見直す日を決めておく。1回の作業は30分、または1部屋の一角だけ、のように小さく区切る。こうした進め方のほうが、本人の苦痛を抑えながら前に進みやすいと感じています。作業中に本人が「やっぱりやめたい」と言ったら、いったん手を止めて気持ちを確認することも大切です。

注意4:家族だけで片付ける前に知っておきたい危険

自力での作業が安全にできるとは言い切れません。積み上がった物や水を吸った布団、古い家電は想像以上に重く、崩れたり持ち上げたりした拍子にけがをすることがあります。長く手が入っていない部屋では、害虫やカビ、ホコリで体調を崩すおそれもあり、割れた食器や刃物が埋もれていることもあります。塩素系と酸性タイプの洗剤が混ざると有毒なガスが発生し、中身の残ったスプレー缶は捨て方を誤ると発火の原因になります。長年の重みや湿気で床が傷み、物をどかした拍子に踏み抜くこともあります。作業する場合は手袋・マスク・長袖で肌を守り、換気を確保し、異変を感じたらすぐ中断してください。ゴミの分別や出し方、ゴミ出し支援の制度の有無は自治体ごとに異なりますので、お住まいの自治体でご確認ください。

「本人の体調に合わせて日程を分けたい」「立ち会いの負担を減らしたい」「近所に気づかれたくない」といったご希望も含めてご相談いただけます。相談・見積もりは無料で出張料もかからず、状況によっては即日のご相談にも応じています。年中無休で受け付けていますので、まずは今の状況だけお聞かせください。

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業者に頼むときの確認点と、片付けた後に元へ戻さないために

見積もりで確認しておきたいこと

ためこみ症が背景にある片付けでは、作業の速さより、本人の気持ちに合わせた進め方ができるかが大切です。見積もりの際には、本人の立ち会いのもと残す物を確認しながら進められるか、保留箱を用意してもらえるか、見積もり後に追加料金が発生する条件は何か、近隣に気づかれにくい時間帯や車両の相談ができるか、家庭から出るゴミの収集運搬に必要な市区町村の許可を持っているか(または許可業者と連携して処分しているか)を確認しておくと安心です。

費用の考え方と支払いの相談

費用は物の量や作業内容、間取り、階数や搬出経路などで大きく変わるため、金額は現地での見積もりでご確認ください。ティプロでは、お見積もりでご提示した作業範囲について、提示後に追加料金をいただかないことを基本としています。まとまった費用の用意が難しい場合は、分割払い・後払いのご相談も可能です(いずれも審査があります)。本人の了承を得たうえで、まだ使える家電や家具を買い取りできれば、その分を費用に充てられる場合もあります。女性スタッフも在籍していますので、同性のスタッフに対応してほしいといったご希望もお伝えください。

回復は長期戦、片付けはその入口

ためこみ症は、一度部屋を片付けても、物を手放しにくい気持ちそのものがなくなるわけではないため、支援が途切れると元の状態に戻りやすいとされています。片付けをきっかけにつながった通院や相談、訪問看護やヘルパー、見守りなどの支援を、できる範囲で続けてください。暮らしの中では、「チラシや無料配布物は玄関で断る」「通販の注文前に同じ物がないか確認する」など、物が入ってくる入口を一緒に減らす工夫から始めると続けやすくなります。ご家族は部屋の状態を点検するより、本人の体調や表情に目を向け、気になる変化があれば相談先に共有してください。

まとめ|ためこみ症は責めずに、相談と片付けを並行させる

ためこみ症は、物を手放すことに強い苦痛が伴い、生活空間が使えなくなるほど物がたまる状態として、医学的にも位置づけられている病名です。ただの片付け下手との違いは、物の量ではなく、「手放すときの苦痛の強さ」「暮らしへの支障」「年単位の経過」「本人の困り感のズレ」に表れます。ただし、当てはまるかどうかをご家族や業者が判断することはできません。

周りの人にできるのは、責めないこと、一人にしないこと、そして本人の同意を大切にしながら、安全と衛生のラインから整えることです。片付けは治療の代わりにはなりませんが、暮らしを立て直し、支援の手が入りやすくなる入口にはなります。「病院に行くほどなのか」と迷う段階でも、精神科・心療内科や精神保健福祉センター、保健所などに一度相談してみてください。ご本人が受診を嫌がる場合は、ご家族だけの相談から始めて大丈夫です。

【よくある質問】

  • ためこみ症は、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)やWHOの国際疾病分類(ICD-11)に収載されている病名で、性格や努力不足の問題とは区別されています。ただし、物が多いことがそのまま病気というわけではなく、手放すときの苦痛や暮らしへの支障など、いくつかの要素を医師が総合的に見て判断します。気になる場合は、決めつけずに専門家にご相談ください。
  • 目安は「捨てるときの苦痛の強さ」「寝る・食べる・入浴するなど暮らしへの支障」「年単位で悪化しているか」「本人の困り感」の4点です。片付けが苦手なだけなら、捨てれば気持ちが軽くなり、生活の場は使えていることがほとんどです。ただし、これはあくまで相談を考える目安で、診断は医師が行います。
  • 精神科・心療内科が基本的な受診先です。かかりつけ医がいれば、まずそこで相談して紹介を受ける方法もあります。高齢の方で物忘れも気になる場合は、もの忘れ外来など認知症の専門外来が入口になることもあります。どこに行くか迷うときは、精神保健福祉センターや保健所で相談先を案内してもらえます。
  • ご家族だけで相談できる窓口があります。精神保健福祉センターや保健所・保健センターは、本人が受診していない段階でも家族からの相談に応じており、関わり方の助言や訪問などの支援につながることがあります。高齢の方なら地域包括支援センターも相談先です。説得役をご家族だけで背負わず、第三者の力を借りてください。窓口の名称や対応範囲は自治体によって異なりますので、お住まいの自治体でご確認ください。
  • 病名を決めつけるような伝え方は、本人を傷つけたり、人を遠ざけるきっかけになったりすることがあります。「最近眠れていないように見えて心配」「転ばないか心配」のように、体調や安全への心配として伝えるほうが受け入れられやすいです。受診をすすめたい場合は、先にご家族が相談窓口で伝え方の助言を受けておくのもひとつの方法です。
  • 医療機関では、認知行動療法を中心とした治療が行われているとされており、時間をかけて物を手放す練習や、新しい物を入れない工夫、判断する力を支える取り組みが進められるといわれています。経過や合う治療は個別の状況によりますので、具体的なことは診察のうえで医師にご相談ください。片付けだけで解決するものではなく、支援を続けることが大切だとされています。
  • おすすめできません。ためこみ症が背景にある場合、本人の同意なく物を処分すると、強い苦痛や不信感から症状が悪化し、その後の治療や支援まで拒まれることがあるとされています。捨てる判断は本人に残し、通路の確保や火の元の安全など、本人も納得しやすい範囲から一緒に進めてください。賃貸物件で大家さんや管理会社の方が対応する場合も、同意なく処分すると法的なトラブルにつながるおそれがあるとされていますので、弁護士などの専門家にご相談ください。
  • うつ状態での意欲の低下、ADHDの特性による段取りの苦手さ、認知症による分別や収集日の混乱でも物はたまりますが、こうした場合は「ためこみ行動」としてためこみ症と区別されることがあります。両方が重なっているケースもあるとされ、専門家でも見分けが難しいといわれています。背景によって支援の入口が変わるため、受診や相談で切り分けてもらうことをおすすめします。
  • 病気かどうかを推測して本人に問いただすことは避けたほうが安心です。まずは本人と話す機会をつくり、難しければ連帯保証人や緊急連絡先の方にも状況を伝え、近隣からの苦情や共用部の状況を記録してください。本人の暮らしや健康が心配なときは、自治体の福祉の窓口に相談できることもあります。室内の物の処分や契約に関わる判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。
  • 病名まで伝える必要はありませんが、「一度にたくさん捨てるのはつらい」「本人が立ち会いながら残す物を決めたい」といった困りごとを話していただくと、保留箱の用意や短時間で区切る段取りなど、本人に合わせた進め方を組みやすくなります。ご相談の内容は秘密厳守で扱います。費用は物の量や作業内容で変わるため、現地での見積もりでご確認ください。分割払い・後払いのご相談も承っています(ご利用には審査があります)。

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