遺品整理とは、故人が残したものを整理することを指します。
遺品整理の概略を理解している方は多くいるものの、具体的にどのように進めればよいのかを理解している方は意外と少ないものです。
特に、遺品整理を始めるタイミングやおこなう上での注意点をよく理解したうえで実施する必要があります。
では、遺品整理は具体的にどのように進めればよいのでしょうか。
この記事では、遺品整理の具体的な進め方や、準備するもの、実施するうえでの注意点について解説します。
目次
遺品整理を始める一般的な時期
遺品整理を実施するうえで、始める時期がとても重要となります。
基本的に、遺品整理は人が亡くなられた後におこなう形となります。
もし、生前中に主に本人がおこなう整理の事は、遺品整理とは呼ばず生前整理と呼ぶのです。
では、遺品整理はどのタイミングでおこなうかと言えば、以下のタイミングがあります。
- 葬儀や四十九日が終了した後
- 相続手続きの目途が立ったタイミング
- 相続手続きが完了したタイミング
人が亡くなった後は、各種手続きなどをおこなう必要があるため、なかなかまとまった時間が取れないものです。
よって、葬儀や四十九日、相続手続きに関して目途が立ったタイミングでおこなう形が一般的です。
ただし、注意したいのは主に四十九日法要後におこなうケースが多い形見分けに合わせて、整理が必要になる場合が多い点です。
また、相続するにしても、どのようなものがあるのかをチェックして、どのように相続するのかを決める必要があります。
よって、遺品整理をおこなうタイミングに決まりはないものの、可能な限り葬儀が終了した後から始めて、四十九日法要前に完了させるのがベターです。
遺品整理で準備するもの
遺品整理を実施するうえで、必要なものがあります。
主に必要となるものとして、以下が挙げられます。
- 段ボール・マジックペンなどの文房具:ものを仕分ける際に必要となる
- ドライバー・ペンチ・はさみなどの道具:家具などを分解して処分する際に必要となる
- 作業服・マスク・手袋・スリッパ:作業時に汚れても良い格好で、怪我をしないで安全に作業するために必要となる
- 手押し台車:重いものを搬送する際に必要となる
- ゴミ袋:不用品を処分する際に必要となる
ほかにも、片付けが完了した後に掃除が必要となる場合が多いため、掃除機やほうき、雑巾などの清掃用具も用意しておくとよいでしょう。
さらに、遺品整理は時間がかかる傾向にあり、また一人でおこなうのが大変な場合が多いです。
そこで、ほかの家族や親族などに遺品整理の協力を依頼するケースもあります。
その場合、事前に対応計画を立てて計画どおり実施できるかがポイントとなります。
ほかの家族や親族などの都合なども聞きつつ、遺品整理の対応計画を準備してください。
また、不用品を廃棄しなければならないことを考えた場合、自治体のごみ出しのスケジュールもよく確認して、ゴミ出しの日に合わせて整理するのもよいでしょう。
遺品整理の進め方
遺品整理の進め方として、以下のような手順で進めるのが一般的です。
- 遺言書・エンディングノートを確認する
- 遺品を仕分けする
- 不用品の処分・買取を行う
- 物件を処理する
- 親族間で遺品を分配する
各ステップの詳細について、解説します。
【STEP1】遺言書・エンディングノートを確認する
遺品整理の最初のステップで、必ず行っておくべき行動として、遺言書やエンディングノートのチェックがあります。
遺言書とは、故人が残した相続などに対する方向性を示したものであり、法的効力のあるものです。
もし、遺言書に相続に関する記載があれば、それに従った対応が必要です。
また、法的効力はないものの故人が意思表示しているものとして、エンディングノートがあります。
エンディングノートとは、自分に関して様々な情報を書き記したノートであり、作成の義務はありません。
ただし、昨今では遺言書だけでなくエンディングノートを作成するのも一般的となっています。
エンディングノートに記録する内容の1つとして、遺品をどのように扱ってほしいのかがあります。
よって、法的効力はありませんが故人の意思を反映させるためにエンディングノートの記載内容をよく確認してください。
【STEP2】遺品を仕分けする
遺言書やエンディングノートを確認した後、実際に遺品を仕分けていきます。
先に紹介したとおり、遺品整理は力作業となり、また汚れる可能性もあるため安全に作業するために準備するものをしっかりと準備して、万全の態勢で臨みましょう。
準備が完了したら、実際に遺品を残すものと処分するものに仕分けていきます。
なお、残すべきか処分すべきか悩むものがあれば、一旦保留しておき後日改めて要否を判断するのがおすすめです。
また、遺品整理は故人の立場に立って進めなければなりませんが、同時にほかの家族や親族などの意見も取り入れて実施するようにしましょう。
仕分ける際には、ある程度のスペースが必要になるため、最初にスペースを確保してから仕分け作業を実施してください。
【STEP3】不用品の処分・買取を行う
ものの仕分けが完了したら、残すものについては収納場所を決めて、そこに片付けていきます。
そして、不要と判断したものについては、処分する必要があります。
不用品を処分する際にはさまざまな方法がありますが、基本的には費用がかからず手軽に処分できる方法を採用するのがベターです。
また、不用品の処分は廃棄だけでなく、再利用できるものがあれば買い取ってもらう方法
もあります。
買取ってもらうことで、廃棄費用がかからないだけでなく売却益を得られるメリットもあります。
よって、可能な限り買取対応してもらう形で不用品を処分することをおすすめします。
【STEP4】物件を処理する
遺品整理は、故人が残したもの処分するだけでなく、建物自体を処理しなければならない場合もあります。
例えば、賃貸物件であれば個人以外に住んでいる人がいなければ、即座に解約しないと継続して家賃を支払い続けなければなりません。
よって、相続の形で相続人が早急に対応すべきです。
【STEP5】親族間で遺品を分配する
遺品整理によってものの仕分けが完了したら、残すものについて親族間で分配していきます。
通常は、四十九日法要で形見分けの形で分配するのが一般的です。
なお、形見分けは親族だけでなく故人と親しい関係にあった知人や関係者に対してもおこなう場合があります。
形見分けをおこなう際には、特定の人からの意見を聞くのではなく、広く意見を聞いた上で形見分けする人を決めないと、トラブルに発展する可能性があります。
また、形見分けは通常目上の人から目下の人へ贈ることが原則です。
もし、目上の人に贈りたい場合は、本人の希望があった場合にのみ留めておくのが一般的です。
遺品整理を行う際の注意点
遺品整理をおこなう上での注意点としては、以下が挙げられます。
- 親族と相談しながら進める
- 自治体の処分方法に従って処分する
- 料金が発生するものは早めに解約する
各注意点の詳細について、解説します。
親族と相談しながら進める
遺品整理をおこなう場合、先に紹介したとおり自分ひとりの意見だけで進めるのは危険です。
遺品整理は、故人の考えを最大限尊重しておこなう形となります。
ただし、自分だけの価値観で残す・残さないの判断をしたとしても、自分は不要と判断したものが残された家族や親族などにとっても大切なものである可能性があります。
もし、ほかの親族が必要と考えていたものまで自分だけの意見で処分すると、トラブルに発展する場合が多いです。
よって、ほかの家族や親族とよく相談したうえで遺品整理を進めるのがおすすめです。
自治体の処分方法に従って処分する
遺品整理によって不用と判断したものを処分する際に、各自治体で回収してもらう方法がおすすめです。
粗大ごみや家電リサイクル法の対象となるものは費用がかかりますが、可燃ごみなどはゴミ袋代だけ負担すれば処分できます。
ただし、各自治体でごみを回収してもらう場合、ごみ出しのルールに従わなければなりません。
特に、回収対象となるごみの種類やサイズ、ごみ出し日と回収場所はしっかりと把握しておきましょう。
料金が発生するものは早めに解約する
最近では、サブスクリプションなどの形で継続して料金を支払って利用するサービスが増えています。
サブスクリプションの場合、解約しない限りは継続して費用を支払い続けなければなりません。
利用しないサービスに対して、継続して費用を支払い続けなければならないのは無駄です。
エンディングノートで契約しているサービスをまとめている場合は、エンディングノートを見ながら不要なサービスがあればすぐに解約手続きすることをおすすめします。
遺品整理は業者に依頼するのもおすすめ!
遺品整理をおこなう際、自分ひとりでおこなうのはとても大変なものです。
そこで、遺品整理を専門業者などに依頼することも検討する余地があります。
遺品整理業者の場合、遺品整理のプロフェッショナルが大切な遺品を丁寧に仕分けてもらえます。
特に、遺品整理士の有資格者がいる業者に依頼すれば、より信頼を置いて遺品整理を依頼可能です。
さらに、業者によっては不用品の回収から買取、ハウスクリーニング、不動産の処分など、遺品整理に付随するようなサービスを利用できる場合もあります。
業者依頼時の料金相場
遺品整理を業者に依頼する場合、当然費用がかかります。
遺品の仕分けと処分だけを依頼する場合、おもに依頼する部屋の広さによって費用が決定します。
より詳しく説明すると、部屋の広さによって大まかな作業時間が算出でき、何人で作業するのかも把握可能です。
部屋の広さ別の概算費用をまとめると、以下のようになります。
間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
1R・1K | 32,000円~83,000円 | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK | 53,000円~125,000円 | 2~3名 | 2~4時間 |
1LDK | 71,000円~205,000円 | 2~4名 | 2~6時間 |
2DK | 92,000円~255,000円 | 2~5名 | 2~6時間 |
2LDK | 122,000円~305,000円 | 3~6名 | 3~8時間 |
3DK | 155,000円~407,000円 | 3~7名 | 4~10時間 |
3LDK | 175,000円~510,000円 | 4~8名 | 5~12時間 |
4LDK以上 | 225,000円~6100,000円 | 4~10名 | 6~15時間 |
上記はあくまでも一般的な費用相場であり、実際の費用について現地見積りなどを受けた上で、正確な費用を把握しておくことが重要です。
まとめ
遺品整理をおこなう場合、自分ひとりで対応するのはとても大変なものです。
よって、実行上では遺品整理業者などに対応を依頼して作業してもらうのがおすすめです。
費用的にも決して高くなく、時間がない中で効率よく遺品整理を進めることができます。
ティプロでは、お得な費用で遺品整理をサポートさせていただきますので、もし興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。
現代は、超高齢化時代と言われています。一人住まいの方が増え、もしもの時は残された身の回りの生活用品の整理にご遺族は途方にくれることになります。遺品整理士として、専門的な知識と豊富な経験から、遺品の整理や生前整理などのお手伝いをさせていただきます。