孤独死が起きてしまったらすぐにやるべきこと
特殊清掃の必要性
特殊清掃の費用が高額な理由
孤独死対応保険
特殊清掃での消臭方法
特殊清掃での消毒方法
特殊清掃でのオゾンによる脱臭方法
特殊清掃での感染症
孤独死から葬式までの流れ
孤独死発見から遺品整理までの流れ
目次
- 孤独死が起きてしまったらすぐにやるべきこと
- ●警察に通報する
- ●近隣居住者への緊急対策
- ●葬儀社に相談する
- ●遺品整理や特殊清掃業者に相談する
- 特殊清掃の必要性
- ●特殊清掃業者を利用しなければならない理由
- ●特殊清掃を個人で行ってはいけない理由
- 特殊清掃の費用が高額な理由
- ●専門的知識や専門的用品が必要
- ●本当に難しい脱臭
- ●人件費がかかる
- ●清掃範囲が広い
- ●たくさんの作業が発生する
- 孤独死対応保険
- ●「無縁社会のお守り」
- ●「オーナーズ・セーフティ」
- ●「Re-Room」
- ●「オーナーズプロテクター」
- ●「賃貸住宅生活者総合保険」
- ●「大家の味方」
- 特殊清掃での消臭方法
- 特殊清掃での消毒方法
- 特殊清掃でのオゾンによる脱臭方法
- 特殊清掃での感染症
- 孤独死から葬式までの流れ
- 孤独死から葬式までの流れを解説
- ①孤独死の原因
- ②孤独死の発見
- ③葬儀社への連絡
- ④葬儀社主体で葬儀の準備
- ⑤その他のやるべきこと
- ⑥まとめ
- 孤独死発見から遺品整理までの流れ
- 孤独死発見から遺品整理までの流れ
- ①孤独死の発覚
- ②葬儀の手配
- ③部屋の掃除は特殊清掃業者に依頼
- ④遺品整理
- ⑤まとめ
孤独死が起きてしまったらすぐにやるべきこと
出来れば自分も身内にも起きてほしくない孤独死です。しかし、孤独死が起きてしまった時にすぐにやるべき対処があります。
●警察に通報する
孤独死の発見したらすぐに警察へ通報しましょう。事故なのか、病気なのか、事件なのか、死因を司法解剖によって判断されます。
司法解剖の結果が出るのは早くて1週間くらい、場合によっては10日前後かかることもあります。
●近隣居住者への緊急対策
家族が同居している場合の遺体はすぐに発見されるため、近隣に迷惑をかける事はそれほどありません。しかし、死後数日経って発見される孤独死の現場は、腐敗臭(死臭)やハエなどが近隣部屋に拡散ししてしまいます。
近隣居住者から苦情が考えられますので、緊急対策が必要です。
・腐敗臭(死臭)の拡散防止
窓は閉めきってロックし、窓に臭いが付着するのを極力防ぐためカーテンも閉めましょう。玄関ドアの隙間は養生テープなどで外側からすべてふさぎます。
マンションでは他の部屋と配管がつながっている場合は臭いが拡散してしまうため換気扇はオフに。
下水管などを伝って臭いが拡散してしまうためバスやトイレのドアは閉めておきます。
すべての間仕切りドアや押入れドアなども閉めておきましょう。
市販の香料の強い消臭剤や芳香剤を置くのはほとんど意味がありません。死臭と香料のニオイが混ざって悪臭が助長される場合があり逆効果です。市販の消臭剤を使用される場合は無臭タイプを玄関前に設置しましょう。
・ウジとハエの拡散防止
市販の殺虫スプレーを室内全体に噴霧し、ウジには直接噴霧しましょう。その後、煙のでないバルサンタイプの殺虫剤を使用。長期的には、吊り下げタイプの持続型殺虫剤が有効です。
●葬儀社に相談する
遺体が警察に運ばれて司法解剖が終わり捜査結果が出ると遺体を引き取ります。しかし、その時に本当に身内が遺体を持ち帰るわけにはいきません。
遺体が発見され警察に引き取られた後、すぐに葬儀社に相談しましょう。葬儀社が管轄の警察署と連携して遺体を引き取り、火葬場に搬送してもらえます。
司法解剖が終わるまでに葬儀の打ち合わせも済ませておきましょう。葬儀までの必要な流れはすべて葬儀社が任せることができますので、希望に沿った葬儀が執り行えるよう冷静に打ち合わせをしてください。
●遺品整理や特殊清掃業者に相談する
孤独死の発生した部屋の後片付けの責任は遺族に生じます。遺品整理業者に相談し、原状回復義務がどこまであるのか不動産管理会社に確認ましょう。
警察署から部屋の片付け許可がおりるまでは荷物を動かしてはいけません。死因に事件性があると警察が判断した場合、室内の物的証拠が処分されてしまうことを防ぐため警察が決めたルールです。
しかし、腐敗の進んでいた遺体から発せられる腐敗臭や害虫は周囲に悪影響を及ぼします。警察に相談しながら、出来る限り早いうちに特殊清掃を依頼しましょう。
部屋の脱臭には1週間程度かかることもありますので、早めに相談することをおすすめします。
特殊清掃の必要性
特殊清掃とは誰もが出来る清掃ではないため、専門業者が行う必要性があります。
●特殊清掃業者を利用しなければならない理由
・特殊清掃は危険と隣り合わせ
もしも亡くなった方がウイルスなどの感染する病気だった場合、きちんと対策を行わなければ部屋に入った人が感染してしまうおそれがあります。
虫を残らず駆除することは大変で、コバエなどを誤って吸い込んでしまう可能性もあるため、保険としてマスクが必須となっています。
血液などの痕跡を取り除くためには特殊な洗剤が必要で、万が一混ぜてしまうと猛毒の塩素ガスが発生するため大変危険です。
・完全に清掃することができる
人が亡くなると遺体からは体液が染み出しウジやハエなどの害虫が湧き出してきます。
特に孤独死などで発見が遅れてしまった遺体の臭いは強烈でマスクをしていても防ぐことは難しく、部屋に染みついた臭いは簡単に取れることはなく見た目はきれいできても臭いは残ってしまいます。
特殊清掃業者はこうした臭いもしっかりと取り除き、原状回復を行って痕跡などを一切残さずにきれいにすることができます。
一般的な清掃方法とは、全く違った方法となるため、誰にでもできる清掃ではありません。
●特殊清掃を個人で行ってはいけない理由
・トラブルになる可能性が高い
孤独死などで亡くなった方の遺体は発見されるまでに時間が掛かることがあります。
発見が遅れて腐敗した遺体が放つ臭いはとても強烈で、作業に掛ける時間が長くなればなるほどトラブルになる可能性が高くなってしまいます。
・感染病にかかってしまうリスクがある
亡くなった方の体から出てくる体液や血液などには感染病の元となるウイルスや菌が存在していることが多く、知識を持たないの素人の方が特殊清掃を行うとハエなどの虫や空気を介して感染病になってしまう可能性があります。
・完全な消臭はできない
見た目はきれいにできても臭いを完全に消臭することは難しいです。
特殊清掃が必要になる現場には腐敗臭が漂い、その臭いは市販の消臭剤などでは消えることはほとんどないと言われています。
・完全にはきれいにできない
特殊清掃で血液の除去をするには専用の洗剤が必要です。
トイレにトイレ用の洗剤があるように、血液にも血液専用の洗剤を使用しなければ清掃することができません。
また、洗剤を誤って混ぜてしまうと猛毒のガスである塩素ガスが発生することもありますので注意が必要です。
・ストレスを感じてしまう
特殊清掃を行う現場は遺体がすでに運び出された後であっても異様な光景や臭いのため、多くの方がしばらく物を食べられないほどのストレスを感じてしまうと言われ、このストレスによって身体や心が弱ってしまうことがあります。
特殊清掃の費用が高額な理由
特殊清掃は孤独死や事故死、自殺や殺人現場になってしまった部屋を清掃して原状回復させる仕事です。
単に汚れがひどい場所ではなく、遺体の血液や体液が散乱している場所や臭いがひどすぎる場所などの清掃や除菌、消臭が主な作業です。
通常ではない厳しい状況で危険を伴う特殊な作業を行うため、一般的なハウスクリーニングにかかる費用よりも高額になります。
●専門的知識や専門的用品が必要
特殊清掃に使用される用品は通常の清掃に使用される用品よりもはるかにコストがかかります。
特殊清掃の現場で用いられる消臭剤は市販のものとは違い、高額な業務用の消臭剤を組み合わせて使用。
オゾンを発生させて消臭を行うオゾン発生器などの専門機材も高額な機材です。
現場で適正に養生を行うための養生用品、消臭剤の薬剤やオゾン発生器のオゾンなどから身を守る防護服やマスクなども必要になります。
特殊清掃に使用される用品を適正に取扱い、正しい効果を得るための専門知識も必要です。
●本当に難しい脱臭
特殊清掃の現場で発生している臭いはとても強烈で、除菌脱臭は本当に困難となっています。
人の臭覚は鋭く、僅かな臭いでも長い時間が経過すると我慢できなくなるほど、精神を圧迫します。
遺体があった場所の血液や体液、脂肪分などは臭いが残りにくいのですが、表面に見えない床下や畳の裏などに菌が発生してしまうと臭いを発生し続けます。
この菌を完全に除菌しなければ臭いが取れないため、特殊な薬剤を使用したりオゾンなどを発生させたりして除菌を行います。
これらの脱臭作業にかかる労力と時間が必要です。
●人件費がかかる
特殊清掃は進んでやりたがる人が少ない内容の仕事であるため、人材を確保するために費用がかかります。
人の死にまつわる敬遠されがちな作業を行うことも多く、強烈な死臭に対処しながらご遺体由来の血液や体液を清掃しなければなりません。
このような仕事内容から仕事の担い手が少なく、高い価値が生まれてくるのです。
●清掃範囲が広い
特殊清掃は対処すべき範囲が広いため、費用がかかります。
通常のハウスクリーニングは目に見える汚れに対して清掃を行い、きれいにすることができれば問題がないケースが多いです。
しかし、特殊清掃の場合はただ部屋を清掃しただけでは死臭が残ってしまうこともあるなど、目に見える部分の清掃だけでなく別の作業として消臭剤の散布やオゾン発生器による消臭などの臭いへの専門的な対処が必要になります。
●たくさんの作業が発生する
オゾン発生器を使用する際や物品を運び出す際には養生が必要となり、汚染された物品を運び出す際にはしっかりとした梱包が必要になります。
フローリングやタイルフロアに汚染がある場合には張替が必要となり、畳が汚染されている場合は畳の交換が必要になります。
孤独死対応保険
単身高齢者や孤独死が社会問題として認知され始め、孤独死に対応する保険もたくさん登場してきました。孤独死が起きた部屋の遺品整理や遺品処分、特殊清掃などの原状回復補償などに対応しています。
孤独死保険の主な補償内容は、通常の損害保険では対応していなかった「遺品整理・特殊清掃・孤独死による原状回復工事」を補償、空室期間や値引き期間の家賃補償とです。
●「無縁社会のお守り」
「無縁社会のお守り」はアイアル少額短期保険株式会社が2011年に始めた孤独死に対応した少額短期保険で、費用は月一室300円、保障内容家賃補償最大100万円、原状回復費用最大200万円です。
契約条件は保有戸室が4戸室以上、保有している賃貸住宅の全戸室の加入が必要となっています。
●「オーナーズ・セーフティ」
「オーナーズ・セーフティ」はエース損害保険株式会社の保険で、費用は月40~280円、補償内容は原状回復費用最大300万円、家賃損失保証最大12ヶ月×賃料の80%、隣接賃貸住宅保証最大12ヶ月×賃料の80%(最大100万円)です。
契約条件は所有している賃貸住宅の全戸室の加入が必要となっています。
●「Re-Room」
「Re-Room」はe-Net少額短期保険株式会社の保険で、費用は都度算出(非公開)、保障内容は原状回復費用最大100万円、家賃損失保証最大12ヶ月200万円です。
契約条件は所有している賃貸住宅で入居している全戸室の加入が必要となっています。
●「オーナーズプロテクター」
「オーナーズプロテクター」は少額短期保険ハウスガード株式会社の保険で、費用は非公開、保障内容は修理費用保険金最大100万円、遺品整理保険金最大50万円、事故時諸費用保険金最大30万円、家賃保証最大6ヶ月です。
契約条件は棟ごとの契約のみ、一部戸室を選択しての契約は不可となっています。
●「賃貸住宅生活者総合保険」
「賃貸住宅生活者総合保険」はジック少額短期保険株式会社の保険で、費用は非公開、保障内容は原状回復費用最大50万円です。
契約条件は非公開となっています。
●「大家の味方」
「大家の味方は株式会社アソシアの保険で、費用は非公開、保障内容は修理費用保険金最大300万円、臨時費用保険金が死亡原因が犯罪被害である場合1回の事故につき50万円・上記以外の場合1回の事故につき20万円です。
契約条件は非公開となっています。
特殊清掃での消臭方法
特殊清掃の現場はご遺体が腐敗することによる体液や汚物の汚れやしみが床下にまで広がることが多く、部屋の隅々にまで浸みこんだ腐敗臭は空気清浄器や芳香剤などでは除去することができません。
腐敗臭や腐乱臭は少し残留しているだけでも何か臭いがあることが分かってしまうため、徹底的な消臭と脱臭対策が必要です。
●主な消臭・脱臭方法
・洗浄法水
水とアルコールを使用してアルコールアンモニアなどの水溶性成分の溶解
・吸着法
吸着剤(活性炭、珪藻土)を使用して臭いを吸着
・被覆法
被覆剤(廃油)を使用して油などで覆いかぶせる
・希釈法
大量の空気で拡散
・冷却法
氷を使用して温度を下げ臭い菌の発生を抑制
・中和法
中和剤(酸)を使用して酸化剤などによる吸収分解(アルカリ)
・マスキング法
芳香性成分などを用いて悪臭成分を隠蔽
・酸化法
殺菌剤(塩素・オゾン)による酸化分解(次亜塩素酸ソーダ)
・高温酸化分解法
燃焼650 ℃以上で燃焼分解酸化
・土壌酸化法
土壌菌を使用
・スクラバー法
生活汚泥菌を使用
・空気還元法
分解消臭剤(植物乾留成分)を使用して悪臭(ガス体)を分解(ダモセントリー)
●消臭剤の種類
・次亜塩素酸ナトリウム
カビ取り剤や漂白剤に使用されます。プールでの除菌や消毒、漂白剤として日本では最も普及している成分。殺菌のメカニズムは、菌の細胞膜を通過して核酸を攻撃、酵素を破壊する塩素イオンによる「塩素殺菌」です。
塩素特有の強い臭気があって自己分解するため持続性に欠け、殺菌時にトリハロメタンなどの発ガン性物質が副生成物として生じます。
有機物(血液や汚れ)がわずかでも混在していると塩素濃度が確認されても有効性は極端に低下してしまい、金属への腐食性があります。
・亜塩素酸ナトリウム(亜塩素酸ソーダ)
食品添加物として用いられています。薬品としても安全性が高く、二酸化塩素と同様に高い消臭力と除菌力があります。
強力な酸化剤で加熱すると分解して酸素を放出、酸と接触すると二酸化塩素を放出します。
・二酸化塩素
高い消臭力と除菌力に加えて即効性も高く特殊清掃の現場で多く用いられ、有効性と安全性のバランスに優れています。
低濃度でも有効性を発揮しトリハロメタンなどの発ガン性物質も生成しにくく、pHに左右されることがなく抗菌スペクトルが広いです。
化学的安定性が高く持続性があり、オゾンに次ぐ酸化力を有して濃度により金属腐食性や漂白作用があります。
●消臭に使用する道具
・マイクロ噴霧機
消毒剤や消臭剤を5μm~レベルの霧状にして部屋の消臭や除菌に使用します。現場で臭いの種類を分析してその場で生成、噴霧機で除菌消臭します。
特殊清掃での消毒方法
●消毒の手順
①防護服やマスク、ゴム手袋を着用する
②床などに染みついた体液を除去し、汚染された布団や衣類などの荷物を撤去する
③噴霧器を使って室内全体に入念に消毒剤を散布する
④消毒剤を散布した後はそのままにしておく(濡れたままにすることによって除菌効果が持続します)
●菌の強さ
① 芽胞細菌(破傷風、ボツリヌス、炭疽)
② 結核菌(インフルエンザ、SARS)
③ 糸状真菌(白癖菌、カビ類)
④ 食中毒菌(大腸菌O-157、ブドウ球菌)
⑤ 酵母様真菌(一般細菌)
●消毒液の種類
・安定化二酸化塩素
室内の建具を腐食することなく、強力な除菌力があります。
ハイターなどの塩素系洗剤で床や壁を除菌すると洗剤をかけた部分が腐食し変色してしまいますが、安定化二酸化塩素はどんな場所でも腐食や変色を起こさない性質を持っています。室内全体に散布しても問題ありません。
他の除菌剤に比べて除菌力が強く長時間にわたって除菌効果を発揮、その効果は塩素のおよそ2.5倍と言われています。
・二酸化塩素剤
NASAの宇宙食の滅菌や炭疽菌の殺菌に使用されています。
アメリカではFDA(日本では厚生労働省)やEPA(米国環境保護庁)、USDA(米国農務省)、FSIS(米国食品安全検査局)、HACCP(米国食中毒予防計画)などで公式に認められた薬剤です。
ウイルスや細菌への殺菌効果が非常に高く、薬剤の残留性及び人への安全性があります。消臭効果も非常に高く、トリハロメタン(発がん性物質)や塩素ガスの発生、長時間の残留などによる二次被害の心配もありません。
・次亜塩素酸水
殺菌能力がとても高く、強毒の芽胞細菌まで除菌可能です。黄色ブドウ球菌や大腸菌O-157、ノロウイルスなどの殺菌、また作業時に二次感染(肝炎等)を防ぐ能力があります。
・過酸化水素水
手術室などで血液、体液、嘔吐の拭き取りに使われるもので、洗浄と消毒を一度に行うことができます。
ノロやロタ、ポリオウイルスなどの消毒が難しい菌にも効果が認められております。
・エチルアルコール
エタノールとも呼ばれ、手指の消毒にも使用できるため最も広範囲に用いられます。
殺菌のメカニズムは濃度により異なりますが、菌の細胞膜の損傷と細胞内のタンパク質凝固による代謝阻害に分けられる。
菌やウィルスの種類(芽胞菌やノロウィルス等)によって耐性があるため、有効性に限界がります。
また、揮発性が高く蒸発による自然分解が速いため持続性が低く、エンベロープを持たないウィルスには不向きす。
●消毒に使用する道具
・マイクロ噴霧機
消毒剤や消臭剤を5μm~レベルの霧状にして部屋の消臭や除菌に使用します。現場で臭いの種類を分析してその場で生成、噴霧機で除菌消臭します。
特殊清掃でのオゾンによる脱臭方法
室内の消毒・消臭清掃を行っても臭いを完全に除去することが難しい場合があります。
孤独死などによる腐敗臭の除去に効果的とされている方法が「オゾン生成器」を使用した脱臭です。
オゾンによる脱臭は、悪臭を他の臭いで包み込んでごまかしているだけの芳香剤とは違い、悪臭の素をオゾンで分解するため、より高い効果が得られます。
●オゾンによる脱臭の仕組み
オゾンは分子式O3という物質で酸素(O2)を原料に作られます。
オゾンは極めて不安定で反応性が高いため、すぐに反応して酸素に戻ろうとする性質を持つ物質で、悪臭などの臭い物質に反応し酸素に戻ります。
オゾンが分解したときに発生する酸素が持つ強い酸化力によって室内の臭い分子細菌、ウィルスなどと結びついてを分解する、これがオゾンによる脱臭の仕組みです。
オゾンは液体ではなく気体であるため部屋の隅々にまで行き渡ることができることから汚染物だけではなく空間の洗浄も行うことができ、効果を発揮します。
オゾンによる脱臭のメリットは2つ、酸素が原料であるため脱臭作業が安価にできること、悪臭との反応によりオゾンが酸素に戻るので環境と人体への安全性が高いことです。
しかし、オゾンが大量発生した室内に長時間とどまると人体に悪影響があるいう報告もあるため、使用する際には注意が必要です。
●オゾン生成器による脱臭の手順
室内の悪臭は家財全てに染みついてしまうため、遺体発見現場だけを消臭消毒しても本来得られるはずの効果は期待できません。
①室内全体に除菌消毒を施す
②ニオイの付着した家財などをすべて撤去する
③床などに体液が染みついている場合は床の撤去なども行う
④オゾン発生器で脱臭する
●オゾン生成器の性能
オゾン発生器は、広さや臭いレベルにより使用する器械が異なります。
特殊清掃が必要とされる異臭が充満している室内などで使用される業務用オゾン生成器のオゾン発生量は7,500mg/hくらいです。
ホテルや食品を取り扱う場所などで使用されている業務用オゾン生成器のオゾン発生量は1,000mg/h程度のものが主流となっています。
●オゾン生成器による脱臭の費用
オゾン発生器の使用料と人による定期的な臭気チェック、換気作業料で費用を計算します。
例えば、ワンルームで孤独死が発生したケースではオゾンによる脱臭に約1週間を要します。24時間オゾンを発生させ続け、1日~2日に1回の頻度で脱臭状況をチェックして室内の換気。これを繰り返して室内の完全脱臭を行います。
費用は1週間の作業で80,000円~くらい、部屋の広さや状況によって脱臭範囲が変わるので脱臭日数もそれに応じて変動します。
特殊清掃での感染症
死体が腐敗し始めると死臭が漂い始めます。
死臭の原因は何百種類もの揮発性有機物が混ざりあったものだとされ、人間の体内の組織をガスと塩分に分解するバクテリアによって発生しています。
時間が経過した臭いは非常に強烈ですが、それ以上に注意しなければいけないのは感染症のリスクです。
●感染症とは
感染症とはウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳などの症状が出ることです。
人間の細胞は人間が亡くなると少しずつ死んで数時間後にはすべての細胞が死にます。
ウイルスは人間の細胞が生き続ける限りは生き続けるので、死後数時間経てばウイルスも死んでしまいます。
しかし、細菌については細胞が死んでいるか生きているかに関係なく、栄養物があれば活動し増殖していくのです。
●特殊清掃現場での感染症リスク
特殊清掃現場では溢れ出た血液や体液などに存在するする菌が汚染物だけではなく、部屋の空気、壁、床などにまで浸透してしまうため感染症にかかる可能性が高くなります。
特に血液にはC型肝炎という恐ろしい病気の元が含まれている可能性もあり、ウジやハエ、ゴキブリなどが伝染病を媒介する恐れもあります。
特殊清掃の現場に入る時には、しっかりと防護服などで身を保護して入室することが必要です。
●感染症予防
・軽装備では入室しない
防護服やマスク、ゴーグル、手袋などで防護します。
状況にもよりますが、呼吸で肺が痛くなったり目が痛くなったりなどの症状をがでることもありますので注意が必要です。
・物に手を触れない
物に手を触れる事は非常に危険ですので何かに触れる可能性なある場合は手袋を着用します。その後すぐに流水と石鹸による手洗い後に消毒をし、30秒以上の乾燥を行います。
・虫に注意する
特殊清掃を必要とする現場にいるゴキブリやハエ、ウジ、ネズミなどは様々な病原体を体内に持っています。体に触れてしまった場合は速やかに流水と石鹸にて手洗い後、消毒をしてます。
・すべて使い捨て
一度持ちこんだ物や着ていた衣類などは基本的に使い捨てにします。再度利用する場合は次亜塩素酸ナトリウム処理を行います。
●感染症予防の目的
感染症を予防することは自身が感染症に感染するのを防ぐためだけではありません。菌の増殖や別の部屋へ移動させないための安全策です。
孤独死から葬式までの流れ
孤独死から葬式までの流れを解説
近年、孤独死が非常に問題視され、ニュースでも取り上げられるようになってきました。孤独死は誰にでも起こり得ることですので、自分は関係ないとは言えないでしょう。
では、実際起こってしまったらどのように対処すればいいのか、起こらないようにするにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、孤独死から葬式までの流れを対策を含めて解説していきます。
①孤独死の原因
孤独死とは、一人暮らしの人が看取られることなく亡くなってしまうことをいいます。原因は突発的な病気などで様々ですが、一人暮らしであるため発見が遅れ、遺体がひどく傷んでしまうことが多いです。
家族や親族との連絡をあまりとらない、仕事をしていない、にご近所付き合いなども希薄である場合は孤独死してしまう可能性が高いため注意が必要です。日常的に人と接している場合は家で倒れてしまった場合でも誰かに早い段階で発見してもらえる可能性が高いです。
例えば仕事をしていれば無断欠勤になりますので会社から連絡があり、連絡がつかないことから発覚が早まることもあるでしょう。このように会わないまでも連絡を密にとることで孤独死する確率を減らすことができます。
若い人でもあり得る話ではありますが、やはりお年寄りに多いため、一人暮らしのお年寄りの方は対策が必要となるでしょう。家族と密に連絡を取ったりご近所の方々と交友を深めたりすることが一番の対策になるでしょう。
または、孤独死を防ぐために、様々な家電で通知機能が付いたものが販売されております。炊飯器やコーヒーメーカーを使うと違う場所に住んでいる家族に通知が行くことによりしっかりと生活していることがわかるので孤独死の対策としては非常に役に立つでしょう。
②孤独死の発見
対策をしていてもどうしても起こってしまう可能性はあります。そして孤独死が起こってしまった場合の多くは近所の人の通報での発覚です。
孤独死してしまった場合は発見が遅れて遺体が傷んでしまい異臭を発します。その異臭に近所の人が気づき通報し発覚します。異臭で通報をすると警察官が現地に来て確認を行います。
大家さんに確認をして鍵を開けてもらい、そこでようやく遺体が発見されるのです。警察は遺体を発見するとまず検死を行い、事件性がないかどうかを確認した上で家族と連絡をとります。
ここで家族が孤独死してしまったことに気付くわけです。身元確認、本人確認を行った後葬式の準備に入ります。
③葬儀社への連絡
病院で亡くなった場合は病院から紹介してもらうことも可能ですが、孤独死の場合は自分で葬儀社を探さなければなりません。葬儀社はそれぞれで料金が全く違いますので慎重に選ぶようにしましょう。
また、基本的には故人が住んでいた地域で葬儀を行うようにしましょう。自分が住んでいる場所が同じ地域であればそれほど問題になりませんが、全く違う地域の場合は料金が非常に高くなってしまいます。
遺体は専用の車でないと運搬することができませんし、火葬場も住民票がない地域からの搬入となると料金が非常に高くなってしまいます。そのため可能な限り故人が住んでいた地域で葬儀をあげるほうがいいでしょう。
葬儀の規模もしっかりと葬儀社に希望を伝えてください。葬儀社も商売ですからできるだけ大きな葬儀の方が儲けができるためあれやこれやとすすめられる場合があります。終わってみたら思ったよりも金額が大きくなってしまったということも多いようです。
④葬儀社主体で葬儀の準備
葬儀社が決まったら葬儀社主体で葬儀の準備や後処理をすることになります。葬儀に参列してほしい人のリストを作り連絡、死亡届の提出、火葬許可証の受領などがあげられます。
自分で全てを行うのは非常に難しいものもありますので、葬儀社の人はそういった対応に慣れておりますので、遠慮せずに頼るようにしましょう。これが終わったら葬儀を行います。
⑤その他のやるべきこと
葬儀が終わってもやるべきことはまだ残っています。故人が年金受給をしていた場合は年金受給の停止、クレジットカード、携帯電話、インターネット、電気、ガス、水道などの利用停止も必要になってきます。故人が生命保険に加入していた場合は生命保険の請求も必要となります。
そして、最後に一番大変なのが遺品整理です。遺体が傷んでた場合は住んでいた部屋の清掃が必要となりますが、自分で行うのは厳しいでしょう。孤独死の後の部屋の清掃は特殊清掃の専門会社に依頼するようにしましょう。
遺品整理はできるだけ自分で行うほうが良いですが、量が多かったり処分方法がわからない場合は業者に依頼するのもありです。
⑥まとめ
孤独死が発覚してから遺族が行わなくてはいけないは非常に多く手間とお金がかかります。しかし、どうしても必要なことでありますので大変ですが、故人を供養する気持ちでしっかりと行うようにしましょう。費用も多くかかってしまいます。
何かを業者に頼むときはしっかりと選別し見積もりをとり、自分でできることはできる限り自分で行うことによって費用を最低限に抑えることは可能です。遺族の方々もできるだけ身体的負担と精神的負担を掛けずに無理しないようにしましょう。
孤独死発見から遺品整理までの流れ
孤独死発見から遺品整理までの流れ
近年ニュースで孤独死という言葉が流れるようになりました。孤独死とは、「社会から孤立しているために自宅で亡くなり長時間放置された」場合のことをいいます。高齢者に多く、無職で家族とも疎遠の場合になるケースが多いようです。
もちろん、家族が孤独死をしないように事前に対応する必要がありますが、残念ながら家族が孤独死をしてしまった場合どうすればいいのでしょうか?家族が孤独死した場合なにからするべきかを解説します。
①孤独死の発覚
まず、何をすべきかというより、孤独死の発覚方法について触れておきます。孤独死が発見される場合、ほとんどが隣人からの通報でしょう。
家族が発見する場合もありますが、家族が定期的に訪れる環境であれば孤独死はもともと起こりにくいです。そのため、異臭がするなどの理由から隣人の方が通報し、警察が入って発覚することが多いのです。
警察が孤独死を発見した場合、家族に連絡がくることになります。そのため家族の孤独死が発覚した場合の最初にやるべきことは警察との対応ということになるでしょう。
②葬儀の手配
警察との対応をして遺体確認を済ませたら次は葬儀の準備です。病院で亡くなった場合と違い葬儀社を自分で探さなければなりません。
故人が葬儀の積立をしている場合などもありますが、疎遠になってしまっていることも多いので積立をしているかどうか確認するのはなかなか難しいでしょう。余談ではありますが、葬儀社はしっかりと選んだ方がいいです。
葬儀社は会社によって大幅に値段が変わります。悪質な葬儀社も存在しますので時間はありませんがしっかりと選ぶようにしましょう。
③部屋の掃除は特殊清掃業者に依頼
ここまででも十分大変ですが、ここからがさらに大変です。葬儀が終わったら後片づけが待っています。孤独死の場合、遺体の損傷が激しく通常の清掃ではなく特殊清掃になります。依頼自体したころがない人がほとんどだと思いますので細かく解説していきます。
Ⅰ、自分でやることはできないのか?
自分でやることも不可能ではありませんが、正直なところかなり厳しいでしょう。遺体の損傷が激しいということは、異臭、虫などの耐え難い状況下で作業をしなければなりません。
臭いも近所が通報するくらいの異臭がするわけですから普通の消臭剤では全く効き目がないためやはり専門的なものが必要となります。それだけでも、非常に大変なのですが、何よりも家族が亡くなった現場の清掃というだけでは精神的にかなりきついものがあるでしょう。
遺体は、夏場だと1日、冬でも1週間程度で腐敗が始まってしまいます。遺体に含まれていた水分、カーペットやフローリングのにしみ込んだ油分を綺麗にするのは並大抵の作業ではありません。おとなしく専門である特殊清掃業者に依頼するほうがよいでしょう。
Ⅱ、どのように特殊清掃業者を選べばいいのか?
まずは、専門業者を選ぶことが重要でしょう。便利屋さんでも対応可能なところはありますが、やはり専門業者に比べて知識や道具が足りない場合があります。その分料金が安いこともありますが、賃貸の場合、異臭が取れなかったりするとまた余計に費用がかかってしまう場合もありますので注意が必要です。
専門業者の中には消臭保証がついていたりする場合もありますし料金がしっかりと決まっている業者がありますので、そのような業者に依頼するといいでしょう。遺品整理も一緒にしてくれる業者もありますので一括でお願いしたい場合はそういった業者に依頼するのも手です。
Ⅲ、特殊清掃の費用はどのくらいかかるのか?
費用は部屋の大きさや汚れぐらいによりますが、安くて60000円、高くて500000円程度かかります。放置された時間が長ければ長いほど料金が高くなります。後で追加料金がかかってしまう場合もあるようなので事前に見積もりしてもらいしっかりと確認するようにしましょう。
Ⅳ、賃貸と持家で違うの?
清掃をどのようにするのかは賃貸や持家かでも変わってきます。賃貸の場合、家は貸主のものになります。そのため現状維持をしなければなりません。
持家の場合、その後その家をどうするかによるでしょう。相続した人が決めることですが、そのまま家をつぶしてしまう場合もあるでしょうし、売りに出す、親族が住むなど今後の方針によって変わってくるかと思います。やはり賃貸の方が問題になりやすいため管理会社やオーナーとしっかりと話あって解決するようにしましょう。
④遺品整理
清掃が終わったら、家に残っている家財などの遺品整理が必要となります。これは時間をかければ自分ですることも可能ではありますが、なかなかの労力になりますので業者に依頼する人を方が多いかもしれません。
遺品整理を依頼する際に注意すべき点は、違法業者の存在です。通常遺品整理などの不用品の回収は、業者は許可を取って営業する必要があります。
しかし、残念ながら許可を取っていない業者を非常に多く存在しているのです。更に悪質な業者の場合、遺品に高価なものがあったら依頼者に確認せずに持ち帰ってしまうこともあるのです。
そのようなことがないように、許可ととっている業者を探すほうが安心です。わからない場合は市役所や区役所に相談してみるのもいいかと思います。
⑤まとめ
家族が孤独死してしまうのは非常に悲しいことです。残された方々もつらい思いをしてしまいます。
孤独死は事前に防ぐようにすることが重要でありますが、もし怒ってしまった場合、余計なトラブルにならないようにしっかりと対処をして故人を送り出してあげましょう。
現代は、超高齢化時代と言われています。一人住まいの方が増え、もしもの時は残された身の回りの生活用品の整理にご遺族は途方にくれることになります。遺品整理士として、専門的な知識と豊富な経験から、遺品の整理や生前整理などのお手伝いをさせていただきます。