終活において、様々なことを計画的に進める必要があります。
そのなかで、身辺整理も重要となり、ある程度思い切った対応が必要となるのです。
特に、人間関係の整理はとても辛いものですが、死を迎えるにあたっては決断しなければならないことでもあります。
では、身辺整理とは一体どのようなことを指すのでしょうか?
この記事では、終活における身辺整理の概要や、実施方法を紹介します。
目次
身辺整理とは?
終活における身辺整理とは、自分の所有物を整理したり、人間関係や財産などを整理する行為を指します。
身辺整理の対象となる身の回りにあるものとは、具体的には以下のようなものを指します。
- 服
- 家具
- 家電
- 自動車
- 不動産
- デジタルデータ
- 人間関係
- 財産
特徴としては、有形なものばかりでなく人間関係なども含まれる点です。
上記のようなものを必要か不要かを判断し、不要なものは処分して、必要なものだけ手元に残す作業となります。
身辺整理は、終活だけでなく人生の節目でおこなわれることが多いです。
ただし、終活でおこなう身辺整理はより重みがあり人生の終着点に向けて非常に重要な作業となります。
終活で身辺整理をするメリット3選
終活において、身辺整理をおこなうと良いとされていますが、その理由として以下3つのようなメリットがあるためです。
- 快適な生活を送れる
- 家族・親族の負担を減らせる
- これからの人生と向き合う機会になる
各メリットについて、詳しく解説します。
快適な生活を送れる
終活における身辺整理をおこなうことで、快適な生活を送れるようになります。
その理由としては、不要なものを処分して部屋が広くなることで、もので溢れていた状態よりもゆったりと過ごせるようになるためです。
特に、高齢となると足が不自由となり歩行もままならなくなりますが、ものを処分すれば歩行するスペースを確保できるので十分な動線を確保できます。
昨今、断捨離に注目が集まっていますが、ものの整理において断捨離の精神を取り入れれば、清々しい気分になれたり自分らしい人生を送れるようになるため、おすすめです。
また、身辺整理により人間関係を整理すれば、気の合う仲間だけで残りの人生を楽しめるメリットもあります。
身辺整理の段階で、疎遠になった人や人間的に合わない人との関係を絶つことで、人付き合いで疲れることも少なくなるでしょう。
人間関係をリセットするのは勇気がいるものですが、余生を考えれば思い切って絶った方がメリットとなる場合が多いです。
家族・親族の負担を減らせる
終活で身辺整理をおこなうことで、亡くなった後に遺品整理にかかる負担を軽減できます。
具体的には、身辺整理でものを整理しておくことで、死後に遺品整理をするボリュームを大幅に減らせるのです。
遺品整理のデメリットとして、本人の意思を反映させようとした場合に作業の時間が大幅にかかってしまう点があります。
そこで、本人が生前の段階で身辺整理しておけば、大幅に負担が軽減できるのです。
また、死後にトラブルに発展するケースが多い相続についても、生前の段階で整理したり処分したりすることで、トラブルを回避できる可能性が高まります。
これからの人生と向き合う機会になる
生前の段階で身辺整理しておくことで、ものや人間関係、財産管理を整理して人生を暮らしやすくするメリットがあります。
さらに、これからの人生を向き合う良いきっかけとなるのです。
一度身軽になって、今後は自分の好きなように生きていくなどのきっかけとなり、余生をより充実させられる可能性が高まります。
終活で身辺整理を行う際の6つの手順
終活において身辺整理をおこなう際のステップとして、以下のような流れで実施します。
- 持ち物・書類の整理
- 資産の整理・相続の準備
- 有料サービスの解約
- デジタルデータの整理
- 人間関係の整理
- 介護・葬儀の希望をまとめる
各ステップの詳細について、解説します。
【STEP1】持ち物・書類の整理
身辺整理のメインとなる作業として、持ち物や書類の整理があります。
持ち物については、始めに残すものと処分するものに分類していきますが、基本的に広い部屋を確保して余裕をもって対応するのがおすすめです。
また、処分すべきか残すべきかで悩むものがある場合、いったん保留として後日再度判断することをおすすめします。
そして、残すものは保管場所を決めて保管してください。
処分すると判断したものは、廃棄するのは買い取ってもらうを判断します。
可能な限り、買取してもらっら方がエコの観点でもおすすめです。
廃棄する場合は、自分で自治体のごみ出しルールに従って廃棄するか、不用品回収業者などに廃棄を依頼するかなどの方法があります。
書類についても、基本的には同じように処分するのか残すのかを判断しますが、契約書などは現時点では不要でも死後に必要になるなどの場合もあるため、慎重に判断してください。
【STEP2】資産の整理・相続の準備
身辺整理では、資産の整理も重要な作業となります。
特に、死後に相続の対象となる資産については、生前の段階である程度整理しておくと相続もスムーズに進む場合が多いです。
身辺整理しておく資産としては、主に以下が該当します。
- 不動産(土地・家)
- 預貯金
- 現金
- 自動車
- 株
預貯金については、基本的に複数の口座に分散している場合、なるべく1つの口座にまとめた方が死後の手続きが容易となるためおすすめです。
また、借金がある場合はなるべく精算しておくことをおすすめします。
整理した資産は、最終的には財産目録などの形でリスト化しておきましょう。
これにより、死後に残された家族がどのような資産があるのかを容易に把握できます。
【STEP3】有料サービスの解約
最近では、サブスクリプションサービスが広く普及しており、有料サービスを利用する機会が増えています。
非常に便利な有料サービスですが、もし死亡した後に契約を継続していると、ずっと料金を払い続けなければなりません。
そこで、身辺整理の段階でどのような有料サービスを利用しているのかをリストアップして、解約可否を判断しましょう。
もし残すと判断した場合は、再度リストアップしてエンディングノートなどに記録しておき、死後にすぐに解約できるように準備しておくことが重要です。
【STEP4】デジタルデータの整理
身辺整理において、有形なものだけでなくデジタルデータの整理も必要です。
デジタルデータとは、主に以下のようなものが該当します。
- スマートフォンやパソコン内のデータ
- 各種クラウドサービスに保存しているデータ
- 各種SNSやサービスのアカウント情報
デジタルデータを整理することで、大切なデータの流出や紛失を防止できるメリットがあります。
デジタルデータの整理方法としては、まずはスマートフォンやパソコン内のデータを一つ一つ確認して、残すべきかどうかを判断してください。
そして、残すべきものは別の場所にバックアップを取っておきます。
次に、各種SNSやサービスのアカウント情報について、不要なものは解約してください。
残すアカウントについては、エンディングノートなどにログイン情報を記録しておくことをおすすめします。
【STEP5】人間関係の整理
終活における身辺整理は、生前整理と項目が重複する部分が多いです。
そのなかで、数少ない重複しない項目として、人間関係の整理があります。
人間関係をリセットすることにより、本当に気の合う人だけと交流できるようになり、ストレスが大幅に軽減されます。
他人に振り回されることがなくなるので、自分のやりたいことに集中できるようになる点が魅力的です。
これにより、結果的に時間と出費の節約に繋がり、残された時間を自分や自分の大切な人のために活用できます。
対面する人との人間関係だけでなく、SNSで繋がっている人との関係も整理することが重要です。
ほとんどつながりのない方はブロックしたりフォローを外したりすることで、人間関係を良好にできる可能性が高まります。
人間関係を整理した後でも、交流を続ける人についてはリストアップしておき、エンディングノートに記録しておけば亡くなった後に即座に連絡を取ることができるのでおすすめです。
【STEP6】介護・葬儀の希望をまとめる
高齢になると、いつ介護が必要になるか分からないものです。
そこで、身辺整理の一環として介護方針についてまとめておくことも重要です。
例えば、老人ホームに入居したいなどの希望を残しておくと、いざ介護が必要になった場合に自分の希望どおりに進められる可能性が高まります。
ほかにも、葬儀に対する希望をまとめておくことで、自分の希望するスタイルの葬儀を実現できます。
場合によっては、生前予約の形で葬儀会社と具体的な内容について整合しておくと良いでしょう。
身辺整理を自分で行うときのポイント
身辺整理は、自分で行う方法と他人からサポートを受ける方法があります。
自分で身辺整理をおこなう場合、以下のようなポイントを意識してください。
- 期間を決めて少しずつ進める
- 捨ててはいけないものまで捨てない
- エンディングノートを活用する
- 周囲へ配慮しながら作業する
各ポイントについて、詳しく解説します。
期間を決めて少しずつ進める
身辺整理は、1日ですべて完了できるようなボリュームではなく、非常に多岐にわたります。
特に、資産の整理は様々な手続きが必要となり、数ヶ月の期間をかけて対応しなければならないケースもあります。
ただし、いつまでもズルズルと進めていると、徐々に体力的にも肉体的にも衰えていき、適切な判断ができなくなる可能性があるのです。
よって、いつまでに完了させるという計画をスタート段階で立てて、計画に従って着実にすすめることをおすすめします。
捨ててはいけないものまで捨てない
身辺整理でものを処分する場合、絶対に避けたいのが必要なものまで処分してしまう点です。
現時点では不要であっても、将来的に必要になる可能性があるものも多いため、慎重に判断しなければなりません。
特に、契約書などの重要書類は不要に処分しないように注意しましょう。
また、自分にとっては不要なものであっても、ほかの家族にとっては重要なものである可能性もあります。
よって、自分だけの判断ではなく家族などの意見も取り入れて慎重に判断しましょう。
エンディングノートを活用する
身辺整理において、エンディングノートはとても重要なものとなります。
エンディングノートとは、自分の人生の終末について記した書類のことです。
エンディングノートは、遺言書と違って法的効力はないものの、特に作成方法が決まっておらず自分の好きなように作成できるメリットがあります。
エンディングノートを活用して、自分が亡くなったことを知らせてほしい友人のリストや、財産の一覧、アカウント情報などを家族に知らせることが可能です。
周囲へ配慮しながら作業する
身辺整理において、ものの整理をおこなう際には周囲へ配慮してください。
具体的には、ものを運ぶ際に大きな音がすると、周辺住民に迷惑がかかるため、なるべく迷惑がかからないように配慮が必要です。
特に、夜間に作業を進める場合には、細心の注意を払ってください。
ほかにも、家族が必要なものまで処分しないように、よく家族と話し合いながら対応することをおすすめします。
自分で身辺整理を行うのが難しいときは専門業者に相談しよう!
自分で身辺整理をしていると、特にものの整理をする際に人手が借りたくなるものです。
また、資産整理において専門家の意見を取り入れて進めたいケースもあるのでしょう。
そこで、自分で身辺整理を行うのが難しいときは専門業者に相談することをおすすめします。
身辺整理の専門業者は少ないものの、生前整理の専門業者は多く存在しており、安い費用で利用できます。
総合サービスを提供している場合が多く、ものの整理から資産整理、デジタルデータの整理まで一括で依頼可能です。
専門業者を利用する場合、当然費用がかかりますが、例えば不用品を買い取ってもらう場合に費用に補填できるメリットがあります。
作業前に気軽に無料相談を受け付けている場合もあるので、ぜひ利用しましょう。
まとめ
終活の一貫として身辺整理をする場合、作業内容が多岐にわたるため、非常に時間がかかってしまいます。
よって、最初の段階でスケジュールを明確にして、スケジュールに従って粛々と進める必要があります。
もし、作業をおこなう中で悩みが生じた場合、ティプロにご相談いただければ最大限のサポートをさせていただきます。