大切な家族を亡くしたとき、残されたものを片づける遺品整理は遺族にとって欠かせない作業となります。特に自分の親の遺品を整理するのは、さまざまな思いが押し寄せて作業が進まない方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、遺品整理を行う時期やタイミング、遺族の心得などを解説して行きます。
目次
◆遺品整理とは
故人が残した遺品を片づけたり処分することを遺品整理といいます。遺品とは、故人が生前使用していた家具・寝具・家電製品・衣類・アクセサリー・コレクション品・日記・写真やガラクタとなった不用品にいたるまで残された物品すべてが含まれます。
▼遺品の分類
故人が残した遺品のうち、現金、預貯金、不動産、自動車、貴金属類、有価証券など金銭的価値があるものは全て遺産となります。亡くなった方を被相続人といい、民法の定めにしたがって相続人が遺産を引き継ぐことになります。親族が勝手に分け合うことは出来ません。
一方、遺品については、親族の話し合いによって、故人の恩師や親しい知人などに贈ることができます。これを「形見分け」と呼びます。
形見分けは、故人が生前愛用していた物品を親しい人たちに分け合うこと。故人を偲びながら想い出を共有するための、いわば儀式のようなものです。
つまり、遺品整理をする中で、
①形見分けするもの
②寄付や売却するもの
③捨てるもの
大きく3つに分類することができます。
◆誰が遺品整理を行うのか
ふと疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?遺品整理とは、誰がやるべき行為なのでしょう。
故人と同居していた家族(子ども・配偶者・長男の嫁など)や、近くに住む相続人が一人で引き受けることになってしまうのがよくあるケースです。大量の遺品を分類しながら一人で片づけるのは精神的にも肉体的にもハードな作業です。
本来であれば、遺産整理と遺品整理は同時に進行するのがトラブルを回避するためにも理想的といえます。ですが、現実的には相続人が揃って遺品整理を行うのは中々難しいことです。
◆遺品整理を行う時期やタイミングについて
大切な身内が亡くなると、残された遺族の心には故人の生前の記憶や懐かしい想い出が募ります。特に自分の親が亡くなった直後は、お通夜に葬儀など、故人を見送るための儀式の準備を進めなければなりません。
その他、役所に提出しなけばならない諸手続きや、初七日と四十九日の法要、お寺や葬儀社、参列者への挨拶やお礼など、やるべきことがたくさんあり過ぎて、遺族は悲しみにくれる暇もないことでしょう。
▼遺品整理を行う時期に決まりはない
家の中の遺品を眺めては、捨てる勇気が持てず手が止まり…元気な頃の親の姿が浮かんでは涙をこらえ……。親が亡くなった現実と向き合うことができず、遺品整理をする気持になれない方もいらっしゃることでしょう。
この感情との戦いは誰にでも訪れるものです。四十九日の法要がひと段落して、時間に余裕ができたところで遺品整理をはじめるというのも一つのタイミングです。しかし親を亡くした悲しみから解放されて、気持に整理がつくまでにどれだけの時間が必要かは人それぞれなのです。
遺品整理を行う時期やはじめるタイミングに決められたマナーなどはないため、ご自身の気持の整理がつき次第はじめてみるのも一つのタイミングです。
▼親族があつまる法要を機に
四十九日の法要後も気持の整理がつかない場合は、初盆や一回忌に遺族があつまる法要を機にして遺品整理をはじめる方もいるようです。
また、年末年始やGW、夏休みなどに親族が集まったところで、遺品整理をはじめる方もいらっしゃいます。親が残したエンディングノートにしたがって、親族みんなで確認しながら形見分けをしていくことができます。
故人の想い出を語りながら遺族と協力しあって遺品整理を行うことで、気持に整理がつくのではないでしょうか。
◆賃貸物件の場合
賃貸物件の場合は、契約者が亡くなった後も家財道具が置かれたままの空き家状態では、引き続き家賃が発生することになります。賃貸物件の家賃は通常1ヶ月毎に支払う義務がありますので、翌月分の家賃が発生する前に遺品整理を済ませて部屋を明け渡すのも一つの方法です。
しかし、葬儀や役所への諸手続きと遺品整理を同時に進行していくのは、遺族にとって精神的な負担を抱え込むことになります。
時間や気持にゆとりを持って遺品整理を行なうためにも、翌月分までの家賃を支払っておくことが一つのマナーといえるでしょう。
◆遺品整理は、故人への思いを遺族が整理すること
遺品とは、故人の思いや大切な想い出がぎっしりと詰まったものです。亡くなった方の生きた証といえるでしょう。大切な人が亡くなった後に遺品整理を行うのは、遺族にとって気持の整理を行うために与えられた儀式ともいえます。
遠方なことを理由に、親と会う機会が持てないまま亡くなってしまったり、一人暮らしをさせたまま認知症になり他界した親の死と向き合い悔やんだり……、遺品整理を行う遺族の思いは十人十色です。
遺品を片づける中で、「この服はあのとき母が着ていたもの」「父の誕生日にプレゼントしたシャツ。大切にしていたのね」等々、思い出の品々を一つひとつ手にしながら処分するのはある意味酷なことですよね。
ですが、いつまでも思い出に浸っていては前に進めません。故人への思いを遺族が整理することが遺品整理の役目でもあるのです。
残された遺品への執着を手放して一歩前に進むことが、旅立った親への供養になるかもしれません。
遺品整理でトラブルやお困り事がありましたら当社にご相談下さい。
現代は、超高齢化時代と言われています。一人住まいの方が増え、もしもの時は残された身の回りの生活用品の整理にご遺族は途方にくれることになります。遺品整理士として、専門的な知識と豊富な経験から、遺品の整理や生前整理などのお手伝いをさせていただきます。