街中にある住居のなかで、まれにゴミ屋敷化している住居を見かけます。
普通に見ると、なぜゴミ屋敷になってしまうのかが理解できない場合が多いです。
実は、ゴミ屋敷となってしまうのには大きな理由があり、決して住居人の意思だけでゴミ屋敷となっているわけではないこともあるのです。
では、なぜ家がゴミ屋敷となってしまうことがあるのでしょうか。
この記事では、家がゴミ屋敷になる原因や、ゴミ屋敷を綺麗にする方法を解説します。
いつ自分の家がゴミ屋敷となってしまうかもしれませんので、本記事の内容を参考にしてゴミ屋敷とならないように注意しましょう。
目次
ゴミ屋敷とはどんな状態?
ゴミ屋敷は広く一般的に使用されている言葉であり、ニュースなどでも頻繁に耳にします。
ただし、正確にはゴミ屋敷という言葉は存在しません。
一般的な解釈としては、以下のようなケースをゴミ屋敷と呼ぶ場合が多いです。
- 家中にゴミに覆われている
- 人が住めるような状態となっている汚い家
- 中がゴミで埋め尽くされた状態の家
ただし、繰り返しになりますがゴミ屋敷の考え方は人それぞれであり、あくまでも一般的な解釈となります。
家がゴミ屋敷になる原因
普通に考えると、ゴミ屋敷になぜなってしまうのかが理解できない場合が多いですが、以下のような理由でゴミ屋敷となってしまう可能性があります。
- 多忙で片付ける時間がない
- ものを購入することが多い・捨てられない
- 認知症・精神疾患を患っている
ゴミ屋敷になってしまう理由を以下でより詳しく解説しますので、ぜひ自分自身にも該当する項目がないのかをよくチェックしましょう。
多忙で片付ける時間がない
ゴミ屋敷の場合、普段廃棄する予定のゴミを単純に捨てられずに溜まってしまいゴミ屋敷化してしまう場合があります。
例えば、毎週コンスタントにゴミ出ししていれば特に溜まることはないものの、ゴミ出しの日に忙しくて出せないことが続くと、それが常態化してしまうことが多いです。
さらに、ゴミが溜まっていくと片付ける気も完全に薄れてしまい、悪循環に陥ってしまいます。
また、ゴミ出しだけでなく部屋の片付けはコンスタントにおこなわないと、徐々に乱雑になっていきます。
片付けについても、忙しい場合はどうしても後で片付けようという意識が働いてしまい、結果として不要なものが蓄積されてしまいゴミ屋敷化してしまうのです。
ものを購入することが多い・捨てられない
ゴミ屋敷となってしまう原因として、ものを購入することが多い場合もあります。
なんでも衝動買いしてしまい、不要なものまで購入する機会が多い方の場合、すぐに住居のなかにものが溢れかえってしまいます。
また、同時になんでももったいないと感じで捨てることができない人の場合、ものが溜まる一方となりスペースがなくなりゴミ屋敷化してしまうのです。
「もったいない」という考え方は、日本人のよい面でもありますが、過剰にもったいないという意識が働いてしまうとゴミ屋敷になってしまう可能性があるため、注意しなければなりません。
確かに、保有していれば後で使う可能性があるかもしれませんが、どこかで線引きする必要があります。
認知症・精神疾患を患っている
ゴミ屋敷となってしまう原因として、本人の意思に反してなってしまうケースもあります。
代表的な例として、認知症が発症した場合があります。
認知症が発症すると、どうしても認知機能の低下は免れません。
本来であれば、ものを捨てるか残すかの判断を適切におこなえる状況であっても、認知症になってしまうと判断できずに結果として不要なものまで残してしまうことが多いです。
これにより、徐々にものが溜まっていきゴミ屋敷化してしまいます。
また、高齢者が認知症になった場合は肉体的な衰えによって片付ける気力がなくなり、さらに悪循環に陥ってゴミ屋敷化が加速度的に進行する場合があるのです。
ほかにも、ゴミ屋敷と密接に関係する症状としてセルフネグレクトが挙げられます。
セルフネグレクトとは、生活環境や栄養状態が悪化している状況において、それを改善する気力がなくなり、周囲にも助けを求めない状態のことです。
これは、本人だけではどうしようもなくなった状態であると言え、周囲がサポートしない限りはゴミ屋敷化の進行を止めることはできません。
ゴミ屋敷の場合、心疾患にも密接に関係しており、セルフネグレクト以外にも以下のような疾患を発症すると、ゴミ屋敷となってしまいます。
- ためこみ症
- 買い物依存症
- 強迫性障害(OCD)
- ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- うつ病
以上のように、本人に悪意が無くても身体に発症した様々な疾患が原因で、ゴミ屋敷となってしまう可能性は否定できません。
ゴミ屋敷を放置した場合の弊害
ゴミ屋敷が街中にある場合、単に景観を損ねるだけでなく以下のような弊害をもたらします。
- 健康被害の原因になる
- 火災のリスクが増す
- 近隣住民に迷惑がかかる
各弊害について、詳しく見ていきましょう。
健康被害の原因になる
ゴミ屋敷のまま放置をし続けると、住居内が不衛生な状態となってしまいます。
例えば、生ゴミが部屋の中に埋もれてしまっている状態では、腐ってしまい悪臭が発生するだけでなく害虫が湧くなどの状態となってしまいます。
さらに、以下のような疾患を発症させるリスクがあるのです。
- 感染症
- ぜんそく
- 外傷
- うつ
- 虫刺され
- 食中毒
特に恐れなければならないのが、感染症です。
不衛生な状態で菌が繁殖すると、重大な疾患を発症させるリスクがあります。
さらに、ゴミ屋敷となってしまうと部屋の掃除が行き届かなくなり、またダニが繁殖してしまうことで死骸を吸い込んでぜんそくなどの疾患を発症するリスクも高まります。
また、ゴミ屋敷で足の踏み場もない状況になると、まともに室内を移動できません。
歩行する際にゴミに足を取られて転倒して骨折したり、ゴミを踏みつけた際に足を負傷したりするなどのトラブルも考えられます。
火災のリスクが増す
ゴミ屋敷となってしまった場合、火災のリスクが大幅に増加します。
例えば、室内に埃が充満してしまうと、コンセントの差込口などに蓄積し、コンセントの挿し方が不十分な場合は埃に引火して火災を発生させるケースがあります。
また、火の手があがった場合はすぐに消火器などで初期消火すれば鎮圧できる可能性がありますが、ゴミ屋敷の場合は引火するものが室内にあふれている状況のため、瞬く間に火の勢いが拡大しがちです。
近隣住民に迷惑がかかる
ゴミ屋敷の場合、周囲の景観を大きく損ねてしまいます。
これにより、近隣住民に不快な思いをさせてしまうケースが多いです。
また、見た目だけでなく悪臭が漂っている状態の場合、近隣住民からのクレームを受ける場合もあります。
本人に悪気がない場合、近隣住民からゴミ屋敷を解消するように迫られると、トラブルの元となるケースも多く見られます。
以上のように、ゴミ屋敷は近隣住民に多大な迷惑をかけてしまう場合が多いのです。
ゴミ屋敷を綺麗にする方法
ゴミ屋敷は、いつまでも放置しておくと様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。
よって、ゴミ屋敷は一刻も早く解消することをおすすめします。
ゴミ屋敷をきれいする方法として、以下が挙げられます。
- 病気の場合は病院に行く
- 1か所ずつ片付ける
- 家族・友人と片付ける
- 専門業者に依頼する
各方法について、詳しく見ていきましょう。
病気の場合は病院に行く
身体に対して疾患がある状態でゴミ屋敷となってしまった場合、まずは病院で診察を受けてください。
肉体的な問題なのか、精神的な問題なのかをしっかりと診察してもらいましょう。
そして、医師の指示のもとで治療をおこなえば、ゴミ屋敷の原因となっている疾患を治療できる可能性があります。
ここで注意したいのは、自分の判断で勝手に決めつけない点です。
専門家から診察と治療をしっかりと受けて、原因を取り除きましょう。
1か所ずつ片付ける
ゴミ屋敷を自分で片付ける場合、すべての部屋を一気に片付けるのは物理的に不可能です。
よって、まずは一つのフロアや部屋を対象に片付けを実施しましょう。
ゴミ屋敷をきれいにする場合、すべてのものを廃棄するのではなく、中には必要なものを残す作業も伴います。
不用品だけであれば外に運び出して粛々と廃棄すればよいですが、ゴミ屋敷をきれいにする際にはそうもいきません。
まずは、玄関近くの部屋やフロアを一カ所片付けて、外に運び出す経路を確保しつつ片付けをおこなってください。
そして、一か所片付ければその空きスペースを利用して、他の部屋を片付ける際に発生した残すべきものを保管できます。
また、一か所が片付くと達成感が生まれて、これが成功体験となってほかの部屋の片付けをおこなう際のモチベーションアップにも寄与するのでおすすめです。
家族・友人と片付ける
ゴミ屋敷化してしまうと、一人で片付けするのはまず不可能となります。
特に、高齢者の場合は疾患を治療できたとしても、体力的な問題で思うように進められないものです。
そこで、自分ひとりではなく家族や友人の力を借りながらおこなうとよいでしょう。
例えば、性格上でもったいないと感じてしまい処分するのに躊躇する人の場合は、家族や友人に廃棄するのを後押ししてらうことで、効率よく進められます。
また、大きな家具などを処分する際には物理的に一人で対応することは難しいものですが、周囲のサポートを受けることで処分を進められます。
専門業者に依頼する
住居に入れないようなレベルのゴミ屋敷となった場合や、悪臭が発生して不衛生な状態の場合、素人が片付けするのはまず困難です。
そこで、ゴミ屋敷の片付けに対応してくれる専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者に依頼すれば、効率よくゴミ屋敷の片付けをおこなってくれるので、瞬く間にゴミ屋敷を解消できます。
また、重いものなども安全に運んでもらえて、さらに汚れがひどい場合はハウスクリーニングも依頼できる場合があるのです。
専門業者に依頼する場合、当然費用が発生しますが費用対効果を考えればお得な方法と言えます。
まとめ
ゴミ屋敷は、自分や家族だけでなく近隣住民にも多大な影響を与える可能性があります。
また、ゴミ屋敷に住み続けると様々な疾患を発症させるリスクがあるため注意が必要です。
今回紹介したようなポイントに注意して、部屋の片付けだけでなく自分自身の疾患などを治療することで、再発防止にもつながります。
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