近年、終活という言葉をよく耳にします。後期高齢化社会であることから終活を始める人も少なくありません。中には「自分も始めようかな」と思った人もいることでしょう。ですが、いざ始めようにも何をしたら良いのかよく分からない人も多いのでは?終活を準備する人のために、終活について紹介します。
目次
1:終活は必要なの?
2:エンディングノートを用意する
3:終活は何をすれば良い?
(1):持ち物の整理
(2):遺産の整理・分配
(3):葬式や墓の準備
4:できることから終活を始める
終活は必要なの?
終活とは、「人生の終わりのための活動」の略称です。
昔は「生きている内に死ぬ準備をするのは縁起が悪い」と思われていましたが、近年では「悔いのない最後にするためにしておきたい」という考えが強くなり、できる内に生前整理をする人が増えてきています。
終活は、「したいこと」「やりのこしたこと」を悔いが残らないようにしておく意味でも大切ですが、それ以上に残された家族に対してする意味合いが大きいです。
家財の処理、財産の分配、役所手続きの準備など、やることはたくさんあります。
「死人に口なし」とも言われますが、亡くなってからでは何もすることができません。大切な家族が、後片付けや手続きで大変な思いをするのは忍びないです。
自分が亡くなってからの負担を少しでも軽くなるよう準備しておくことが、終活の目的の一つといえるでしょう。
エンディングノートを用意する
エンディングノートとは、亡くなる前に自身の希望を書き留めて置くノートのことです。
ノートには決まった書式は特になく、自由に記載することができます。市販されているノートにはある程度形式が存在しますが、それは「何をかいたら良いか分からない」人のために記載されているだけです。
あくまでも任意ではありますが、よく記載する内容としては、
・家財への対応
・相続についての考え
・財産一覧
・葬儀の希望
・友人への対応
・家系図
・プロフィール
などが挙げられます。
残された人への伝言という面では遺書と同じように思えますが、書式が自由であることから遺書のような法的効果は一切ありません。遺書とは違い、家族の負担を減らすことのみを目的としています。
また、文章にして書き出すことで考えの整理にもなります。遺品手続きや手続きだけではなく、友人への伝言や家族への感謝の気持ち、死ぬ前にしたいことなど、やり残したことや希望も思い出せるのです。
エンディングノートは、亡くなった後の伝言だけではなく、亡くなる前にしたいことを再確認するためにも重要です。悔いを残さないためにも、エンディングノートを作ってみましょう。
終活は何をすれば良い?
終活はできる内に行った方が良いですが、何をしたら良いでしょうか?
人によって終活は違いますが、よく行われている内容を紹介します。
持ち物の整理
まずは身の回りの物を整理することから始めると良いでしょう。もし、身辺整理をせずに亡くなってしまうと、残された不用品は家族が処分しなければなりません。
本、食器、衣類、家具、電化製品など、不用品全てを処分するのはとても大変です。
不用品回収業者に頼む方法もありますが、今度は予算が掛かってしまい、残された家族の負担となってしまいます。
また、物が多いと手続きに必要な書類を捜さなければなりません。銀行の通帳や印鑑、保険証、土地の権利書など、見つからないと困ってしまいます。
片付けや捜索で家族が困らないよう、事前に整頓しておきましょう。
不用な物は処分やリサイクルに、重要な書類はひとまとめにするなど、後々手が掛からないように整理します。もしパソコンが使えるなら、クレジットカード情報や写真などを電子情報にしてまとめてしまうのもおすすめです。
もちろん、まだ生活しているため処分できない物もあります。そのような物でも、処分の仕方をエンディングノートなどに残して置けば、扱いに困らずスムーズに片付けができるでしょう。
遺産の整理・分配
物の整理だけではなく、家や貯金など、財産整理もしておくと良いです。財産は相続税が発生する物が多く、手続きが必要になります。
事前に相続できるモノがあるなら、相続してしまっても良いでしょう。
また、必要なら遺言も用意しておきましょう。普段家族や兄弟仲が良い家庭でも、遺産を前に争うことがあります。自分の遺産を求めてトラブルになるのは悲しいですので、弁護士に相談して準備しておくと良いかもしれません。
葬式や墓の準備
希望する葬式があるようなら、事前に決めて置いても良いでしょう。葬式の準備や費用、墓の手配などを行っておけば、亡くなった後に葬式の準備でドタバタする心配もありません。
また、遺影も自分で選べます。遺影は、亡くなった後の顔になる物ですから、自分で納得がいく物の方が良いです。事前に用意しておけば、家族が探す手間も減らせます。
もし気に入った写真が無ければ、遺影用の写真を撮影しておきましょう。スタジオや葬儀会社にお願いをすれば、相応しい写真を撮ってくれます。
できることから終活を始める
終活は、いざ始めようとしても簡単に終わるものではありません。本人が生きた証を整理するのですから、それは当然と言えます。
長生きし、人生経験豊かなほど積み重ねは大きいです。人によっては終活に数年掛かることも珍しくはないのです。
終活を始める時期に決まりはありません。亡くなる直前になって慌てて終活を始めないよう、できる内からコツコツと終活を始めてください。
現代は、超高齢化時代と言われています。一人住まいの方が増え、もしもの時は残された身の回りの生活用品の整理にご遺族は途方にくれることになります。遺品整理士として、専門的な知識と豊富な経験から、遺品の整理や生前整理などのお手伝いをさせていただきます。