身内で亡くなりそうな方がいる親族や本人にとって、生前整理したいと考えている方が多く見られます。
ただ、実際にどのようなことを生前整理すればよいのか分かりにくく、またどのようなメリットがあるのかも知りたいものです。
では、生前整理を行う理由や、実際にメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、生前整理を行う上での注意点を含めて、詳しく解説します。
目次
生前整理を行うメリットとは?
実際に生前整理を行うことによって、主に以下のようなメリットがあります。
遺産相続で揉める必要がなくなる
荷物が整理され気持ちも住まいもスッキリする
親族の負担を減らすことができる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
遺産相続で揉める必要がなくなる
人が亡くなる際に、トラブルが発展しやすいのが遺産相続についてです。
遺産は莫大な金額となることがありますが、親族同士であっても遺産を巡り争いごとになることがあるために、なるべくスムーズに対応したいものです。
遺産相続を行う前に、事前に生前整理することによって、故人の遺志をしっかりと反映させることができます。
例えば、事前に遺産となりそうなものを故人が誰に引き継ぐのか、または処分するのかを決定しておくことで、トラブルに発展する可能性を低下させることができます。
荷物が整理され気持ちも住まいもスッキリする
生前整理においては、保有しているものを今後どのようにしていくのかを決定します。
場合によっては、処分してしまうという判断も必要ですが、不要なものを処分することによって荷物が整理されて部屋をすっきりとさせることが可能です。
これは、物理的にすっきりするというだけでなく、気分的にもすっきりすることができる点がメリットとなります。
親族の負担を減らすことができる
基本的に、遺品が多ければ多いほど、遺品整理の手間がかかってしまいます。
残された家族のことを思って、遺品は最低限にしたいと考える方も多くいます。
もし、普段から同居しているのであれば、どれが大切でどれが不要であるのかはある程度家族側から理解されるものですが、1人暮らしであったり別居していたりする場合は、理解してもらうのは大変です。
さらに、賃貸にお住いの場合は、契約の関係上で早急に遺品を整理する必要もあるのです。
このように、残された家族に対して少しでも負担を軽減するという目的で、生前整理は有効的な手段と言えます。
生前整理を行うデメリットとは?
生前整理を行うことによるデメリットとしては、以下のような点があります。
思い出があるものを捨てづらく、作業が進まない
実際に生前整理しようとした場合、特に親族側としては思い出があるものを簡単に捨てられないという問題が生じます。
第三者であれば躊躇なく廃棄できても、いざ故人との思い出を振り返るとそう簡単に処分できないものです。
最終的に捨てると判断する場合でも、その決断まで至るまでに熟考することが多いので、どうしても作業が進まず時間がかかってしまいます。
また、故人となる方自身が選定する場合においても、時間がかかる場合が多く、うまく進めることができません。
残す・残さないのルールを事前に決定しておき、ある程度主観を入れずにルールに従い粛々と整理していくことが重要です。
大きなものなどの処分に費用がかかる
生前整理によって、大きなものを処分しなければならないケースがあります。
例えば、大型の家具やベッド、カーペットなどがありますが、故人で処分するのは大変です。
そこで、業者に依頼して処分してもらうケースが多いのですが、業者側としては不用品として買取するケースと処分するケースがあります。
不用品として買取する場合、生前整理にかかるトータル費用から差し引いたり、依頼者に直接還元する場合もありますが、処分する場合は廃棄費用が請求されます。
生前整理でやるべきこと
生前整理で行うことは何となくわかりますが、具体的にどのようなことを行えばよいのでしょうか。
ここでは、生前整理でやるべきことについて解説します。
エンディングノートを書いてトラブルを回避する
エンディングノートとは、自分の人生の終末について記したノートのことを指します。
生前のタイミングで、家族や友人に伝達したい事項や、自分の希望などを書き留めるのが一般的です。
エンディングノート専用のノートが用意されている場合もありますが、普通のノートや手紙でも問題ありません。
法的効力がないものとなるために、気軽に書いて何度でも書き直すことも可能です。
エンディングノートでは、主に以下の内容を記載していきます。
- 自分の基本情報について
- 家族・親族について
- 財産や資産について
- ペットについて
- 親しい友人や知人について
- 身の回りや医療、介護について
- 葬儀やお墓について
- 相続や遺言書について
- 連絡先
エンディングノート作成時に注意すべきポイントとしては、重要な情報を直接記載すべきという点です。
例えば、自宅の権利証や銀行口座の暗証番号などの保管場所については、エンディングノートだけでなく家族に口頭で伝えておきましょう。
また、頻繁に変更する可能性がある箇所は、鉛筆書きでも問題ありませんが、遺産相続等の重要な内容はボールペンで記入して、第三者による加筆修正を防ぐ対策が必要です。
もし本人が加筆修正する場合は、二重線を用いて過去の内容を残すことをおすすめします。
エンディングノートでは、これからの事よりも今までの人生を振り返ってどのような人生であったのかをざっくばらんに記載するのも良いでしょう。
遺言書を書いてトラブルを回避する
エンディングノートで相続や遺言書について記載することがありますが、エンディングノートは法的効力がある文書ではありません。
一方で、遺言書については法的効力があるために、遺言書に記載された内容をベースに遺産相続などが行われます。
もし遺言書が作成されていない場合、エンディングノートに希望を書いたとしても、それが実現できるわけではありません。
ただ、遺言書には何を書いて良いわけではない、一定のルールが存在します。
大前提として、遺言書に記載できるのは死後に関してのみであり、範囲も遺産相続や子どもの認知など厳格に決められているのです。
その点、エンディングノートでは強制力はないながらも遺産相続などについて希望を書くことが可能であり、生きている間のことについても記載できます。
特に相続トラブルに発展しないように、しっかりと遺言書を作成してトラブルを回避するようにしましょう。
生前整理で注意すべきこと
生前整理は、親族などで行うケースもありますが、専門業者に依頼するとスムーズに処理できる場合が多いです。
ただ、業者によっては適切な生前整理を行わず、意図しないトラブルに巻き込まれるケースがあるので、要注意です。
生前整理で発生しがちな、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
業者に依頼して、貴重品、個人情報を盗まれる
業者に依頼する場合、優良な業者の場合はそれぞれに処分要否の判断を仰ぐことが多く、大切なものを廃棄されるリスクはとても低いものです。
また、価値が高く売れるものであれば、売却して得られた売却益を依頼者に還元するのが一般的です。
一方で、悪徳な業者の場合は、価値の高いものを見つけると、処分したと見せかけて自社の利益として計上するケースがあるので注意してください。
また、生前整理では名簿などの個人情報が記載されたものも処分するケースがあります。
この個人情報については、優良な業者の場合はプライバシーに配慮して適切に処分してもらえますが、悪徳業者の場合は名簿を他者などに横流しすることがあるのです。
よって、業者を利用する場合は貴重品や個人情報を盗まれるリスクがあることを理解して、信頼できる業者を選定することが重要です。
見積書以上の金額を請求される
業者に生前整理を依頼する場合、当然処分費用が発生します。
実際に依頼する際には、見積もりを取っていくらかかるのかを把握したり、場合によっては相見積もりを取ったりして、最も条件の良い業者を利用するのが一般的です。
見積もりを取得した場合、どうしてもトータル費用ばかりに注目しがちですが、細かな内容までしっかり確認しないと、後々でトラブルになることが多いです。
代表的なトラブルとしては、作業一式という科目で計上されていて、何にどれくらいの費用がかかるのかが明らかにされていないと、適切な費用であるのかが把握できません。
また、見積もりの中で、小さく「別途費用が発生する可能性がある」と記載されている場合、それを見落としてしまい、実際に作業が完了した後に見積書以上の費用が請求されるケースもあります。
このようなトラブルに巻き込まれないように、見積書や契約書は細かなところまでしっかりと確認して、見積書以上の金額を請求されないように注意してください。
まとめ
生前整理は、後々に遺産相続などでトラブルに発展しないようにするためにも、また故人の遺志を尊重できるなどのメリットがあります。
一方で、優良な業者に依頼しないと大事な遺品を勝手に処分されるなどのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ぜひ、優良な業者を選定して、スムーズに生前処理を完了させたいものです。
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