■両親と一緒に生前整理しましょう。
「終活」という言葉はしっていますか?
一時期から広く知られるようになりましたが、生きているうちに身の回りのことを片付けておくとすっきりとした生活が送れるようになります。
今のうちに「もしも」のときのための整理と、取り扱いや、今後どうしていきたいと考えているのかという意思をまとめておきませんか?
目次
生前整理と遺品整理の違いは「意思が反映されているかどうか」
生前整理とよく似ている遺品整理。
この2つの違いは「意思が反映されているかどうか」ということです。
「あのとき頂いた美術品、そういえば・・・」
「昔大切に使っていた調度品、実は・・・」
これらの意思反映は、遺品整理となってしまった場合には意思が尊重されることなく、すっきりすべて処分されてしまう可能性もあります。
一方で、生前整理は
- 元気なうちに身の回りのものをある程度片付けておくこと
- 自分や家族の負担を少なくなるようにしておくこと
とされています。
つまり、「意思」を尊重された状態で整理ができることが生前整理です。
生前整理と同じような、意思を書いておくエンディングノートや遺言書も、生前整理を行うときに作っておくと良いでしょう。
生前整理を始めるために最初にやるべきことは「リストを作っておく」こと
生前整理において主に整理をするものは、「財産」と「物」です。
ここで作成をするリストは、「財産目録」と呼ばれるもので、
- 後で遺された家族が見てもわかりやすい
- ご自身でも整理がしやすい
という以上のことから、生前整理をする前に作っておくと良いと言われています。
整理を始める前に、
- 身の回りに「どんなもの」があるのか
- 財産はどう扱うのか(暗証番号など、金品の扱い方など)
以上を箇条書きでまとめておきましょう。
生前整理の全体の順序
それでは、生前整理はどんな流れになるのでしょうか。
いざ始めようとしても順序がわからなければ何も始めようがありませんよね。
順序としては次の通りです。
1.必要なものと不要なものと仕分けをする
日々の生活の中で、不用品回収を依頼するときと同じ流れですが、2点重要なポイントがあります。
- いるかいらないかわからないの保留枠は作らない
- 必要な物の数は減らしておく
「どっちつかずの保留枠」を作ってはいけません。
明確にしておくことで、遺された遺族が遺品の扱いに困ることもなくなる上、もし「保留枠」を作ってしまうと、後日改めて仕分けをしなくてはならないという手間がでてしまいます。そのため、保留枠を作らない方が良いとされています。
しかし、どうしてもわからない!といったときは少なめに保留枠があると整理がしやすいでしょう。
そして、必要なものも保存しておく必要はありません。いらないと思ったらすぐに処分してしまいましょう。
- 現在使っているもの
- 現在使っていないもの
など、判断基準を前もって決めておくと仕分けもしやすくなるため、おすすめです。
◯年使ってないから捨てる、といった具体的なルールだとなお整理がしやすいですよ。
2.アルバムやお土産などの思い出の品を整理する
仕分け時に、迷ってしまう代表でもある「思い出の品」。私も例外なく迷ってしまい、結局片付けられずに今も残っているアルバムがあります。
アルバムや、お土産、賞状や文集など、全てを残しておくことは難しいですよね。
こちらもダンボール◯個まで、という決まりを作っておくと整理が比較的、楽になるためおすすめです。
3.なにかあったときのために貴重品はまとめておく
貴重品として持っているものをすべて書き出してみましょう。
財産に関係する書類や貴重品は次の通りです。
- 通帳、カード
- 印鑑
- 年金手帳
- 株式や債券など金融の資産に関する書類
- 貴金属
契約書類は次の通りです。
- 保険関係の書類
- 不動産関係の書類(特に遺品整理のときに重要となるため、わかりやすくまとめておきましょう)
- 公共料金・インフラに関する書類関係
- 債務・ローンに関する契約書類
以上となります。
まずは、何を持っているか、書類をすべて出してみて、整理をして一つにまとめておきます。
必要なときに手続きができるようにしておくと、バラバラになった書類を探して確認をして、という手間が省けるためです。
話し合いをしながらの仕分けをすることで「意思」が尊重された生前整理となる
ポイントとしては、「意思」を尊重した上での片付けとなるため、話し合いながらそれぞれ仕分けをするという点です。
話し合いながらすることで、未然にトラブルを防ぐこともできる上に、お互いに納得をした上での整理をすることができます。
ご両親が近くにいる場合や、思い立ったときはご両親と一緒に生前整理をしておくことは、おすすめですよ。
ポジティブに生前整理を考えられない場合は「思い出の整理をきっかけにしてみる」
生前整理をするといっても家族の「死」を連想してしまい、生前整理と向き合うことは難しいと思う人もいますよね。
そういうときは、整理によって出てきた思い出の整理から始めることをおすすめします。
これは実際に寄せられたお話ですが、
全国各地にいる家族が集まったときに、以前はメールなどの話し合いをしていたそうですが、それだけでなく実際の思い出の記念品や写真などを出して思い出披露会をしたそうです。
出した本人は思い出話をすることが本来の目的ではなく、「整理しづらいものを一緒に整理がしたかった」と話していました。つまり「生前整理」を家族と一緒にすすめることで、新たな人生のスタートを始めたかったんだそうです。
ご家族も、気になってはいたけど、話し出すきっかけがなかなか作れなかったために、生前整理をできなかったけど、本人から言ってもらえたから生前整理をすることができたと喜んでいました。
こういったことがきっかけで、生前整理をスムーズに始められたらしく、ご本人とご家族は新しい人生の第一歩を踏み出せたと聞いています。
なかなかポジティブになれないことでも、きっかけがあればできるようになることもあるのです。
- やりたいリストを作ること
- 自分の死後をイメージすること
- 家族に迷惑をかけたくない→遺書やエンディングノートを残しておく
など、きっかけは案外簡単なことでもいいんですよ。
生前整理は決して死後を連想するものの、これからの人生のことを考えるポジティブなこと、と少しだけイメージしてみませんか?
まとめ|早すぎても大丈夫!タイミングはいつでもOK
生前整理において、タイミングが遅い、早いは全く関係ありません。
逆に見計らっていると手遅れになり、「意思」が尊重できない遺品整理になることもありえます。
「終活」という言葉が認知しだしてからは20代や30代の人も生前整理をしているそうですよ。
エンディングノートや遺書から書いてみて、イメージをしてみるのも良いかもしれません。
一気に整理をするのではなく、まずはできることから始めてみましょう。
現代は、超高齢化時代と言われています。一人住まいの方が増え、もしもの時は残された身の回りの生活用品の整理にご遺族は途方にくれることになります。遺品整理士として、専門的な知識と豊富な経験から、遺品の整理や生前整理などのお手伝いをさせていただきます。