急に引っ越しなどが発生した場合、今保有しているものを処分しなければならないケースがあります。
また、住んでいた方がなくなって空き家となった場合、遺品整理して不用品を処分する必要があります。
不用品の中には処分に困るものがあり、その中でも特に神棚は処分に困るものです。
勝手に処分すると罰が当たる印象がある神棚ですが、もし処分したい場合はどのような手順で処分すればよいのでしょうか。
この記事では、神棚の処分方法やかかる費用について解説します。
目次
神棚を処分するタイミングはいつがいい?
神棚を処分するタイミングとしては、引っ越しやリフォーム時が大半です。
住居が新しくなる場合、神様の住む神棚も新調するのが望ましとされています。
他にも、神棚は一度購入してずっと使用し続けてよいものではありません。
大体の神棚は木材で作られていますが、木材は経年劣化により傷んでくることや汚れてきてしまう可能性が考えられます。
神様が住む神棚を汚い状態にしていては、失礼に当たるものです。
そこで、木材が傷んでしまった段階や汚れたタイミングで処分するという考え方も一般的です。
神棚を買い替える目安としては、材質にもよりますが概ね5年から10年程度が適切となります。
5年以上経過したタイミングで、神棚の状態を確認すると良いでしょう。
他にも、伊勢神宮の式年遷宮に合わせて新調する場合もあります。
式年遷宮とは、三重県にある伊勢神宮における最大の神事となり、20年に一度社殿と神宝を新しくして大御神にお遷り願っています。
この神事にタイミングを合わせて、20年に一度神棚を新調してふるいものを処分する場合があるのです。
神棚を処分する方法は?
実際に、神棚の処分が必要になった場合、どのように処分するのかを知っておく必要があります。
神棚を処分する場合の主な方法は、以下のとおりです。
- ごみとして自分で捨てる
- 神社で処分してもらう
- 専門業者に依頼する
各処分方法の詳細について、解説します。
ごみとして自分で捨てる
神棚を最も手軽に処分する方法として、お住まいの自治体の規定に従いごみとして処分する方法があります。
なお、ごみとして自分で捨てる場合、以下の方法があります。
- 燃えるごみとして処分
- 粗大ごみとして処分
一般ごみとして処分するのには抵抗があるかもしれませんが、神棚の中に入れるお札などと違って、神棚そのものには魂が宿っていません。
よって、ごみとして処分しても罰が当たるなどの考え方はないのです。
神棚は木材でできている場合が多く、それぞれの自治体の規定に従って燃えるごみとして処分可能です。
ただし、多くの自治体では一辺の長さが30cmを超えるゴミは、粗大ごみ扱いとなります。
よって、大きすぎるサイズの神棚の場合は燃えるごみとしては処分できないケースもあるのです。
神棚のサイズが大きい場合、自治体の規定に従って粗大ごみとして処分します。
粗大ごみとして処分する場合、自治体の粗大ごみ受付センターなどに連絡して、収集を依頼してください。
そして、粗大ごみ処理券の取扱店で粗大ごみ処理シールを購入して、神棚に貼付します。
最後に、粗大ごみの収集日までに指定場所に神棚を出してください。
なお、自治体によっては神棚の処分が断られるケースもあるので、事前に自治体に問い合わせましょう。
神社で処分してもらう
神棚には魂がこもっていないケースが大半ですが、中には神棚を購入した際に神主が魂入れの儀式を実施しているケースがあります。
その場合、一般ごみとして処分するのではなく神社で処分してもらうのがベターです。
神社に持ち込んだ神棚は、お祓いをおこなった後にお焚き上げで処分される形となります。
お祓いは御魂抜きとも呼ばれており、神棚に宿った御魂を抜くために実施するものです。
神様にこれまでの感謝を申し上げながら、その後の平穏をお祈りする儀式となります。
神社で処分してもらう場合は、近くの神社の社務所に連絡して、お焚き上げが依頼可能かを確認してください。
なお、近年は特に都市部において環境問題に配慮してお焚き上げを自粛するケースも多いです。
よって、事前確認して対応可否を確認してください。
初穂料または玉串料という形で、神棚のサイズにより5,000円から30,000円かかります。
また、神棚だけでなくお皿などの付属物については、持ち込み要否は神社に確認してください。
他にも、納札所に納める形で処分する方法があります。
納札所とは、神社境内に設置されている、古いお礼やお守りを納める場所です。
基本的にはお札を返す場所となりますが、神棚やその他神具も受け付けている場合があります。
1,000円程度が相場となりますが、納札所は無人となるため忘れずに収めてください。
神社への持ち込んだ納札所であっても、最終的にお焚き上げで処分される形となります。
ただし、神社に直接依頼すると縁起の良い日を選んで、個別に祈祷をしてもらうことが可能です。
さらに、神棚処分祭などの式典を執行してくれるメリットがあります。
専門業者に依頼する
仏壇や神棚などを専門に扱っている販売業者では、神棚を回収するサービスも提供している場合が多いです。
基本的には、新しい神棚に買い替える際に古いものを引き取る形で処分してもらえます。
神棚を回収した後に祈祷を実施する業者もあって、安心して処分できるのが魅力的です。
また、買い替えしない場合でも、回収のみを実施するサービスを行っている業者も存在します。
他にも、一般的な不要物を回収する不用品回収専門業者や、遺品整理業者に依頼する方法もあります。
処分費用はどれくらいかかる?
神棚を処分する場合、ほとんどの方法で処分費用がかかります。
各方法別の処分費用をまとめた結果が、こちらです。
処分方法 |
費用相場 |
燃えるごみとして処分 |
無料 |
粗大ごみとして処分 |
500円~1,000円 |
神社(お祓い・御魂抜き) |
5,000円~30,000円 |
神社(納札所に納める) |
1,000円~ |
専門業者に依頼 |
20,000~30,000円 |
不用品回収・遺品整理業者 |
1,000円~ |
以上のように、神社や専門業者で処分する場合、20,000円以上の費用がかかります。
一方で、不用品回収業者や遺品整理業者の場合、自宅までの回収費用を含めても1,000円から利用できるのが魅力的です。
処分する前にやっておいたほうがいいことはあるの?
神棚を処分する際には、事前に実施しておくべきポイントがあります。
はじめに、購入時に神主が魂入れの儀式を実施している場合があり、処分する神棚に魂が宿っていると神社で処分してもらわなければなりません。
必ず確認した上で、適切な方法で処分してください。
また、神棚を掃除しないで汚れたままの状態で神社などに持ち込むのは無礼にあたるため、掃除した上で持ち込みましょう。
他にも、神棚に備えられていた以下の処分も必要です。
- お札
- 榊
- お米、塩、水、酒
お札の場合、魂が宿っているため一般ごみとして処分せず、必ずお札を授かった神社に返納しましょう。
もし、どこで授かったお札であるか把握できない場合、返納所がある神社であれば、別の神社で授かったお札でも返納できます。
次に、榊の処分方法については明確なルールがありません。
一般的には、下記のように自然に返す形で処分するのが適切とされています。
- 土に埋める
- 川に流す
また、神社でのお焚き上げしてもらったり、塩で清め紙に包んで処分する方法もあります。
清める際は、榊にしっかりと塩を付けて清め、白紙に包み感謝の気持ちを持って処分してください。
最後に、お米や塩、水、酒は神様の力が宿っているとされており。破棄せずに食事に使うのがおすすめです。
まとめ
神棚を処分する場合、場合によっては一般ごみで廃棄することが可能です。
ただし、魂入れされている神棚は、神社で処分してもらうのが適切です。
状態をよく確認した上で、最適な方法で神棚を処分しましょう。