終活と聞くと、人生の終盤に差し掛かった段階からスタートするイメージがあるかもしれません。
ただし、実際には終活はいつ始めなければならないというルールはなく、自分が実施したいと考えるタイミングから始めることができます。
早い人では、30代から終活を始めるケースも見られますが、実際に若くして終活を始める場合にどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、30代から終活を始める場合に実施すべき内容などを紹介します。
目次
終活とは
始めに、終活について解説すると人生の終わりに向けて自分自身や残された家族のことを含めて考える活動のことです。
終活という言葉自体は、2009年に週刊朝日が取り上げた特集のなかで使用されていたことをきっかけにスタートしました。
この記事が公開されたことでトレンドとなり、2009年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされたのです。
また、同じタイミングで団塊の世代が同時に定年を迎えた関係上、終活という言葉を定着させた要因となっています。
終活では、自分の残りの人生を充実させるために実施するケースが多いですが、それ以外にも残されれた家族に対して、そして身の回りのものを準備するという側面もあります。
終活では、具体的に以下のようなことを実施するケースが多いです。
終活でやること | 詳細 |
---|---|
荷物の整理 | 必要なものと不要なものに分けて断捨離する。 |
医療や介護に対する意思表示 | もし、医療や介護が必要になった場合の意思表示をおこなっておく。 |
財産の管理・整理 | 財産を棚卸して、財産目録を作成する。また、不動産の名義や境界線などでトラブルがある場合は解決する。 |
葬式の希望をまとめる | 自分の葬儀を執りおこなう際の形式や参列希望者をまとめる。 |
お墓を決定する | お墓に関する詳細を決定しておく。 |
相続について決定する | 相続対策を実施したり、遺言書を作成したりする。 |
エンディングノートの作成 | 親族や知人・友人、自分のためにエンディングノートを作成する。 |
老後の資金と住まいの計画 | 老後の生活を考えて、資金の確保や支出の見直し、将来の住まいを検討する。 |
交友関係の整理 | 自分の身に何かあった場合、家族より連絡して欲しい人などの連絡先をまとておく。 |
老後にやりたいことを棚卸する | 自分が老後にやりたいことを考えて書き出しておく。 |
なお、厚生労働省では「人生会議」というフレーズを使用して、医療面で自分自身が希望するケアを考えることを推奨している状況です。
これにより、社会的にも終活はさらに注目を浴びると考えられています。
30代から終活を始めるのは早い?
終活は、一般的には還暦を迎えて退職したばかりの60代の方、そして子供が就職したり結婚したりする40代から50代などから始めるケースが多いです。
要するに、人生の節目をきっかけとして終活に対して興味を持ち始める場合が多いのです。
以上より、30代から終活を始めるのは早い印象があるかもしれませんが、決して早すぎることはありません。
終活は、自分の最期を迎えるまでにどのようなことをやりたいのかを考えることも重要な要素です。
また、人間いつ事故などに巻き込まれて命を落とすかは予測できません。
過度に不安を持つ必要はないものの、ある程度の危機感を持って必要があります。
30代はライフスタイルの大きな変化が発生しやすいタイミングであり、早い段階で人生の終わりを意識してやりたいことを明確化すれば、今後の人生をより充実させることができます。
30代で終活を始めるメリット
30代で終活を始めるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- ライフプランを見直せる
- 親と一緒に終活を進められる
- もしもの時に家族の負担が減る
各メリットの詳細は、以下のとおりです。
ライフプランを見直せる
30代から終活を始めることにより、ライフプランの見直しにつなげやすいメリットがあります。
これは、30代といえば以下のようなライフイベントが起こりやすいためです。
- 結婚
- 出産
- マイホーム購入
- 転勤
- 転職
上記のようなライフイベントが発生した場合に、人生の最後を見据えて逆算して考えれば、より具体的で現実的なライフプランを設計できます。
もし、ライフプランの設計や見直しのタイミングにおいて終活をスタートすれば、現在から人生の終わりにかけて計画的に物事を進められるのです。
仮に、うまく進められなくても30代であればまだまだ挽回できるという側面もあります。
親と一緒に終活を進められる
30代の場合、まだ両親が健在で元気に生活している場合が多いです。
30代から終活を始めれば、両親と終活と一緒に就活できるメリットがあります。
本来は、自分自身で実施しなければならない可能性がある、両親の遺品整理について負担を軽減できる可能性があります。
また、両親の体験談などから特に実施すべき今後の人生に役立つ知恵などを得られるケースもあるでしょう。
さらに、終活をおこなうことで目標が見つけやすくなるという利点もあります。
もしもの時に家族の負担が減る
左記に紹介したとおり、人間いつ自分の身に何が起こるのかは予測できないものです。
もし、自分が急に動けなくなったり亡くなった場合に、残された家族に迷惑をかけてしまうことになりかねません。
そこで、30代であってももしもの時に備えて就おけば、家族の負担が減るメリットがあります。
30代の終活でやること5選
30代のタイミングにおいて、終活でやることとして以下5つが考えられます。
- エンディングノートを書く
- 人間関係・持ち物の断捨離を行う
- お金の勉強や資産形成をする
- デジタルデータを整理する
- 死ぬまでにやりたいことをリスト化する
各項目について、詳しく解説します。
エンディングノートを書く
相続に対して、明確な意思表示の方法として遺言書があります。
遺言書は法的効力があり、正しい方法で作成すれば相続先を明確に指示できる効果があります。
ただし、作成までのハードルが高いのは事実です。
そこで、より手軽に作成できるものとしてエンディングノートがあります。
エンディングノートとは、法的効力は持たせることができないものの、日記感覚で自分のことを記載できるメリットがあります。
気軽に書き始めることができ、環境や心境の変化に対応できるため書き換えても全く問題ありません。
エンディングノートには特段決まった様式はありませんが、書店などで購入可能です。
また、霊園などの葬送業者や、地域によっては自治体レベルでもエンディングノートを提供している場合があります。
エンディングノートに記載する項目は、以下のようなものが多いです。
- 自分の基本情報(名前・住所・電話番号・生年月日・勤務先など)
- 自分の経歴
- 家族や親戚、友人の氏名や住所など
- 預金額や口座情報
- 支払いに関する情報
- 資産の内訳
- 生命保険の加入先情報
- 延命処置や介護に関する希望
- 葬儀の希望
- お墓の希望
- ペットの世話や譲渡に関する情報
- デジタルデータの情報
- 遺言書の有無
人間関係・持ち物の断捨離を行う
一般的に、断捨離と聞くとものを処分したりすることを考えがちです。
実は、断捨離には持ち物だけでなく人間関係を断ち切るという意味もあります。
終活では、今後使用する見込みがないものを処分する形を取るのです。
これは、もし亡くなった場合に遺品整理が必要になるため、自分自身で処分して負担を減らす行動をとります。
断捨離とは、 沖正弘氏が提唱したヨーガの思想として知られています。
1976年に発行された著書「ヨガの考え方と修業法 上巻」で、初めて断捨離という言葉が使用されています。
さらに、作家のやましたひでこ氏が提唱して、商標登録している状況です。
断捨離の大原則は、不要なものを減らして生活に調和をもたらそうとする思想です。
人間関係を断捨離することで、以下のようなメリットがあります。
- 大切な友達との時間を大切にできる
- 人間関係に関するストレスが減る
- お金と時間を有意義に使える
また、人間関係を断捨離する場合には以下の方法がとられます。
- 環境を変化させる
- SNSの情報を遮断する
- 思い出を削除する
一度人間関係をリセットすると、関係を修復するのは難しいため、慎重に判断してください。
お金の勉強や資産形成をする
30代ともなれば、仕事で管理職を任されるケースもあるでしょう。
役職に就くことで収入を高められる反面、同時期に子供が生まれて養育費がかかったり、住宅を購入して住宅ローンを負担しなければならなかったりします。
そこで、収入と支出のバランスを鑑み、老後までの資産設計を考える必要があります。
さらに、30代では自分の両親が還暦を超えて高齢者となるタイミングとなる場合が多いです。
もし、両親の介護が必要になった場合のことを考えて、資金運用する必要があります。
就活する際には、上記を意識してお金の勉強や資産形成を検討する絶好のタイミングです。
資産設計は、主に以下ステップで進めていきます。
- 必要なお金の把握
- 資金形成のための方法を考える
さらに、お金の勉強も欠かせない要素です。
資金形成の方法としては、主に以下のような形が候補となります。
- 株や投資への取組み
- iDeCoや積立NISAを始める
- 毎月の貯金額を決定して貯蓄する
- ふるさと納税により節税する
- 副業に取り組む
デジタルデータを整理する
若い人ほど、SNSを活用している傾向にあります。
SNSのアカウントや投稿したデータなどは、デジタルデータとして残されていきます。
デジタルデータは、残したものもあれば残すと不都合になる場合もあるでしょう。
そこで、終活としてデジタルデータを整理する必要があります。
デジタルデータには、アカウントや投稿情報以外にも以下のようなものが該当します。
- IDやパスワード
- 契約しているインターネットの口座
- 定期課金サービス
- サブスクリプションサービスの利用状況
もし、残すべきデータがある場合はバックアップを取ったりエンディングノートに記録として残したりましょう。
廃棄すべきデータがあれば、タイミングを決めて削除する対応が必要です。
自分のデジタルデータを棚卸しすれば、不要なサービスの有無を把握でき、無駄なサービスを解除できる利点もあります。
死ぬまでにやりたいことをリスト化する
30代で終活を始める際に、まだ死を意識した行動は早いと感じてしまうものです。
ただし、いつ何が起きて死ぬか分からないことを考えると、死ぬまでにやりたいことを明確にしておくと良いでしょう。
特に、やりたいことを実現するために時間がかかる場合は、30代のうちからやりたいことをリストアップするのがおすすめです。
やりたいことのリストを、バケットリストと呼ぶ場合もあります。
一度現実を少し離れてみて、こんなことができたらいいなということを思い浮かべます。
やりたいという気持ちを実際に書き出せば、自分の本当の気持ちを再認識することが可能です。
夢や目標を可視化できれば、モチベーションアップの効果も期待できます。
さらに、やりたいことを明文化すれば忘れないメリットもあります。
まとめ
30代で終活をスタートさせることは、決して早いわけではありません。
むしろ、30代から終活を始めれば人生設計を組み立てやすいメリットもあります。
今回紹介した情報を参考に、30代から終活を始めてみてはいかがでしょうか。
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