こんにちは遺品整理士の三島です。
今までいろんな現場を見てきて、親の家の片付けがうまくいかない人には共通点があることに気づきました。
それはなんでも自分本位ですすめてしまう人。親の家の片付け大変なことなので気持ちは十分に分かります。
多くの親御さんは元々片付けには積極的ではないため、なかなか進まないこともあります。
しかし、あくまでも片付けるのは自分の家ではなく親の家であるということ、片付けの主役は親であり自分ではありません。
迅速にすすめるには親の納得が必要です。今回は親御さんを納得させてうまく進めていくための8つのポイントを解説します。
目次
納得させる8つのポイント
親の気持ちを確認する
親の家の片付けは、家に実際に住んでる親やその物の持ち主の気持ちを確認することが一番大切です。
片付けをしたいのか片付けてもいいのかどうかを、しっかりと確認する必要があります。
親世代は今ほど物に恵まれてなかったため、私たち子世代のようにはすぐには物を捨てることができません。
「もったいない」と、しまい込んで使わない方が「もったいない」などの理屈は通用しません。
片付けたいと思う私たちは物のない暮らしこそが幸せになれることだと信じている方も多いですが、親世代は多くの方がそうではないと考えます。
親の気持ちが「片付けたくない」場合は、今はその時じゃなと諦める覚悟も必要です。
親の気持ちを確認するときは言い方が大切。言い方次第で親のやる気がなくなってしまいます。
絶対に片付けるや物を捨てるという気持ちを前面には出さず、「荷物が多くそろそろ生活も大変じゃない?一緒に使ってるものと使ってないものを見てみない?」などはどうでしょうか。
ポイントは「いる物、いらない物」という言葉を使わないこと。「捨てる」という言葉を使わず「見てみる」だけというイメージを持ってもらうことです。
親の心を開く
最初は親に心を開いてもらうことから始めることが大切です。
子は聞き役に徹すること、自分の意見を主張するのではなくまずは親の声にじっと耳を傾けましょう。
写真を見ながら親に思い出を語ってもらうことも効果があります。
いつも気に掛けていて心配しているとさりげなく親に発し、子は自分のことを考えていろいろしてくれてありがたいという気持ちを親にもってもらうことで、親に片付けに同意してもらいやすくなりその後の片付けも順調に進めることができます。
親の日常を把握する
趣味は何か、ご近所とはどのような人間関係を築いているのか、食事は作っているのかなど、子は思っている以上に親の日常生活について知りません。
その責任はそれまでに積極的にコミュニケーションを取ろうとしなかった子にあると考えれば、多くのことに寛大になれるはず。
親の家を片付けるためには、子から積極的にコミュニケーションを取り親をサポートする姿勢を示すことが重要です。
親とコミュニケーションを取り、親が自分の家について何か不満や心配事を抱えていないかを聞き、その不満や不安を片付けることで解消することができるかを考えます。
実際に片付けを進めることで親の不安の解消につながり、毎日の生活が快適になることもあります。その効果を親が理解すると、片付けがどんどん進んでいくようになります。
子はコーチ役に徹する
片付けを行う際には親の声に耳を傾け尊重する姿勢が大切です。
親がより良い環境で暮らすことができるよう、サポートし、片付けを進め、スケジュールも管理する役割があります。
親を上手く導くためには、親への尊敬と提案力が必要です。心身ともに衰えてきた親を受け入れながら片付けを完了するまでの作業を進めましょう。
親の意思に十分に配慮し、プライドを傷つけないようにマイナスの言葉は使用してはいけません。家についての困りごとの解決策を提案し、片付けを進める環境作りが必要です。
目標を共有する
親に現在どのような暮らしをしているのか、これからどのような暮らしをしたいのかを確認します。
片付ける方向性は、業者に依頼してスッキリした生活をしたいというものなのか、歳を取ってつまづいたり高いところのものを取らなくていいような普段使うものを近くに安全に置き片付いてるというものなのかなど、考え方は様々です。
自分の感覚で片付けを進めると、考え方に親とのズレが生じて上手く片付けを進めることができません。目標を共有し、スムーズに片付けを進めましょう。
自分の価値観を押し付けない
親子とはいえ、別の生き方で別の考え方を持った別の人間であることを理解することが必要です。
自分としては親のためと思って言ったことや行ったことでも、親は余計なお世話と思うこともあります。
まずは親の話を聞くことが最優先です。どうして片付けをしないのかの理由を聞き、その理由によっては片付けられない問題を取り除いてあげます。
その上でなぜ片付けをする必要があるのか、そのメリットとデメリットを説明して納得してもらいましょう。
あくまで人の家を片付けるということを忘れない
どんなに長く住んだ家であったとしても、独立して家を離れると実家であれ自分の家ではないという意識を忘れてはいけません。
親の家を片付けるため、基本的には親が主導して片付けを進めていきます。
もちろん率先して動くのは体力が落ちている親ではなく子ですが、決して命令口調で指示をしてはいけません。常に人の家を片付けているという意識を持つことが重要です。
決して急いで片付けをしようとしない
独立して離れて暮らしていると自分にも生活があり、実家から遠く離れた地域に住んでいる場合は何度も片付けだけのために実家に行くのも大変です。
しかし、急いで片付けをしてしまおうとすると、親の機嫌を損ねてしまうこともあります。
あくまでも親のペースに合わせ、自分の都合だけで片付けを進めないように十分に気をつけましょう。
親が亡くなった後ではやる気がなくなり放置状態になりがち
親が亡くなった後では下記の理由で、自分がやる気がでない可能性が高くなります。そうならない為にもご存命のうちに整理することが望ましいです。
親への思いが日に日に大きくなる
当たり前のように存在していた親がある日突然いなくなり、親の家を片づけるということはこれが親との本当の決別になるということになります。
親が生きてきた証である様々な遺品に接して親を改めて慕う気持ちや、思い出がよみがえり、なかなか作業を進めることができないこともあります。
亡くなった事実は認めても気持ちの上では認めたくない、親が遺した物は単なる物ではないというところに、親が亡くなった後に行う親の家の片づけの難しさがあります。
物量が多すぎて途方に暮れる
親の家には、親が生きてきた70年や80年の長い年数の間に持ってきた多くの物があります。その物の量の多さに圧倒されて何から始めればよいのかが分からないのです。
勝手に処分するという罪悪感
親が生きてきた証である遺品のほとんどを、処分してしまわなくてはならないという罪悪感があります。後には、大事な物を処分してしまったのではないかと後悔することもあります。