こんにちは遺品整理士の三島です。

「親が家の中でケガをしないように」「親が高齢者用施設に入居する」「親が亡くなった」など、様々な理由で親の片付けが必要になります。

しかし自分の家と違い、親の家を片付けるのって結構デリケートだったり、判断に困ったりするケースがたくさんでてきます

このページでは私の経験から、親の家を片付けるのであれば事前に知っておいた方がいい10のポイントについてまとめました。親の家を片付けるためのポイントを押さえて、スムーズに済ませたいものですね。

物の置き場を確保する


親の家を片付ける際には、残す物、処分する物、判断を保留する物に仕分けていくため、仕分けた物を置く場所が必要です。

残す物や判断を保留する物を置く場所は室内に各6畳一間分程度は確保すると、このスペースにより作業効率がよくなります。

処分する物を置く場所はベランダや庭さきなど、雨風が多少当たる場所でも大丈夫です。

場所を決めて一つ一つ順番に片付ける


一度に全てを片付けることは難しいため、今回は棚、今回は食器棚など場所を決めて片付けていきます。

燃えるゴミ用と不燃ゴミ用の袋を用意し、その場で判断することができる物は分別してその袋に詰めましょう。

判断を保留する物は、服、趣味、生活用品、文具、書類など種類別に分別してまとめておきます。
後で再度判断をしましょう。

複数人で片付ける時は担当を分けて全て任せる


複数人で片付ける時は、部屋や場所、階で分けるなどで分担して、それぞれが責任を持って作業に当たりましょう。

問題が起きないよう、事前にどのようなものをどのような基準で処分するのか、何を残しておくのか、最終的に残す物の量など、しっかりと話し合うことが必要です。

判断ができない物は保留する


短期間で片付ける必要がある場合には迷っている時間はありません。残すか処分するか判断が難しい物は保留で仕分けを行い、迅速に作業を進めましょう。

親が生きてきた証である物を手に取ると、思い出が溢れて処分の決心がつかない物もあります。今後使用する可能性が少ない物も、すぐにゴミ袋に入れることに抵抗があることもあります。

判断に迷う物は、一旦保留にしましょう。作業を始めた当初は判断に迷う物が多いと思いますが、片付けが進めると心の整理も進み、処分する決心がつくようになります。

一度に全部片付けようとは思わず、何回かに分けて作業を行う


親の家の片付けを行うのは50代以上の方が多く、子世代も年齢を重ねて体力や気力が衰えています。

無理はせず、疲労が蓄積しないように心身の調子にも配慮し、何回かに分けて作業を行いましょう。

片付けを行う時期は夏を避ける

暑い夏は普通に生活していても大変で、片付けを行うとなるとクーラーをかけていても汗は流れ、処分する物をベランダや庭先に出す際にはとても暑ついです。

できれば、暑い夏の時期は避けましょう。どうしても夏にしか片付けを行うことができない場合は休憩を多めに取り、冷えた飲料水でのどの渇きを潤し、しっかり塩分補給もして片付けを行うことが必要です。

複数人で片付けを行う場合は出入りが多くなり室内の温度も高くなるため、扇風機を使用して風を循環させましょう。

一人暮らしに物は多く必要ない

高齢者の一人暮らしには多くの物は必要ありません。家で一人で暮らす場合は、料理に生きがいを感じているのであれば鍋は中小各1個、服ではコートは何枚も必要ありません。

高齢者施設に入居する場合は、居住スペースに制限があるため持っていくことのできる物は限られています。現在使用している物や絶対に必要な物を残し、生活を彩ってくれる物を少し残します。

必要でなければ未使用品も処分する

未使用品は必要でない場合は処分したり他の人に譲って手放したりし、手元には残しません。未使用品を処分することはもったいない気がしますが、新品も長い間保管しておくとどんどん古くなっていきます。

使用する予定のない物は保管しっぱなし、使用したいと思った時にはどこに保管していたのかわからなくなることもあります。服は現在着ている物だけを残し、まだ着ることができても着ていない物は人に譲ったり処分しましょう。

現在着ていない物の多くは、今後も着る機会はないと思われます。いつか着るかもしれないので残す、着そうにはないけどもったいないので残すという発想は捨て、本当に必要な物だけを残しましょう。

不用品がありがちな場所にある物は迷わず処分する

一番上の棚

高齢になると高い所にある物を出し入れすることが大変になり、一番上の棚に置かれた物は何年間も使用されることなく忘れ去られたものがほとんどです。

目線より高い所にある物を取る時はつま先立ちや踏み台が必要になり、面倒になるため出し入れをしなくなります。

腰より低い場所

腰より低い所にある物は、腰を曲げたりかがむ必要があるために出し入れをしなくなります。

屋根裏や押入れの奥など

若い世代でも屋根裏や押入れの奥などに入れている物はそれほど出し入れをすることはなく、忘れ去られてしまいます。

押入れの奥や散らかっているところにある物は取り出しづらく使用頻度が少なくなるため、不用品の溜まり場になります。

プラスチックの衣装ケースの中

着ることがなくなった服をプラスチックの衣装ケースの中に詰め込んでいる方も多く、そのプラスチックの衣装ケースの中に入れた服は二度と取り出さない方も少なくありません。

ぎっしり詰め込まれたケースの引き出しは重く引き出すことが大変で、ケースを押入れに入れると中身が見えず何を入れてしまったのか忘れてしまいます。

片付けは一日でも早く始める

親も子も高齢になると、どんどん片付けることが面倒になっていきます。

親が年齢を重ねていくと物が増え続け、物が多くなればなるほど片付けにかかる時間や体力がさらに必要になります。

親も子も少しでも若く元気のあるうちに、片付けは一日でも早く始めましょう。

片づける理由を明確にするべし

人間は日々優先事項を考えて動いています。片づける理由を明確にするとおのずと優先順位は上がっていくはずです。

親がご存命の場合は「一日でも長く健康で自分らしく生きるため」と考えましょう。

散らかった家での生活は不便だけでなく、体力の低下による転倒などの事故を起こしやすくなるためとても危険です。転倒による骨折は寝たきりになる大きな原因にもなっています。

階段や廊下でつまづく、浴室で滑る、カーペットや座布団で転びそうになる、電気コードに足をとられるなど、転倒事故の多くは1cmにも満たない驚くほどわずかな段差で起こります。これは、足腰が弱ってくると理由だけではなく、加齢により物が見えにくくなることも原因。このような事故を防ぐためには家の中の整理整頓を行い、転倒の原因になりそうな物を置かないようにしましょう。

また遺品整理として親の家を片づける理由は、「親が大事にしてきた物をきちんと整理しなければ親に申し訳ない」「物があると気持ちの整理をつけることができない」などがあります。後に住む方がいない場合は家の処分や賃貸を考えることもあります。

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広島で遺品整理業をはじめて12年になります。遺品整理を通じで超高齢化社会の問題に日々直面していくなか、お客様のいろんな心配ごとを解決させて頂いています。同じようなトラブルに直面している方々の少しでもお役に立てればと考えこのサイトを立上げました。
取得資格
「遺品整理士」「特定遺品整理士」「不用品回収健全化指導員」「特定国際種事業者」「産業廃棄物処理業者」 「宅地建物取引業」