こんにちは遺品整理士の三島です。
お金は残し方を誤ると家族のために使用することができないばかりか、親族間のもめ事になる可能性もあるため注意が必要です。
デジタル化が進み高齢者でもネットバンクを利用する人も多く、家族が故人の財産や口座がネット上にあることを気が付かないこともあります。
クレジットカード決済やネットバンクなど、ウェブ上のお金のもまた生前整理のひとつなのです。
常に口座や財産を整理して把握し、相続人に相当する人に伝えることができるようにしておくようにしましょう。
目次
ウェブ上のお金関連の整理が必要な理由
最近では多くの人が、Amazonなどサイトでの買い物、電子書籍やアプリの購入、iTunesでの音楽購入、、新幹線のチケット購入、家賃の振込、公共料金の支払い、クレジットカードの引き落としなど、様々なウェブ経由のカード決済を利用しています。
これらを整理しておかないと、自動的にお金が流出するネット経由の支出が死後もしばらく続く形になってしまいます。
第三者ではネット経由の支出は、どのような支出があるのか確認しにくく、請求書に記載されている社名とサービス名が異なると何の支出なのかもわかりません。
本人の死後に本人以外が契約を解除する場合は本人認証などが必要なこともあり、さらに手間がかかる事も多いため、それぞれの請求元に連絡して契約を解除することが必要です。
ネット銀行や証券は特にトラブルが多い
デジタル関連の死後トラブルで多いものが、故人が管理していたネット銀行口座やネット証券口座の詳細がわからなくなったというものです。
遺品にネット証券口座を開設したときの書類が見つかり、資産を確認しようとアクセスするとパスワードが変更されていてログインできなかったということもあります。
ネット銀行の場合は死亡届が提出された時点で口座が凍結されますが、証券口座はIDとパスワードがわかれば本人の代わりに取引を続けることも現実的には可能です。
しかし、IDとパスワードがわからないため相続という形を取ろうとすると、手続きに1か月以上かかることもあり、今すぐ現金化したい資産などがあった場合は困ります。
また、口座の存在自体を遺族が知らない場合は相続ができないことになります。
定期的に送られてくるハガキなどで気がつくこともありますが、気が付かないままの場合は資産が宙に浮くことになってしまいます。
そればかりか、存在を知らないままで放置することにより負債を負うこともありますので、ネット系マネーサービスはIDとパスワードをリスト化して、家族に託せるようにしておきましょう。
各口座のIDとパスワードをエクセルにまとめてプリントアウトし預金通帳に挟んでおいたりすると、特に家族には伝えていなくても万一のことがあった場合にはすぐ見つけることができます。
まずはウェブ上にある資産をリストアップする
どんな財産があるのかやどこに口座があるのかなど、ウェブ上にある資産の存在場所をリストアップしましょう。
紙に書き出して家に置いておくことは防犯上問題があるため、金庫に預ける、スキャンして暗号化するなどセキュリティ上の対策を行って保存することが必要です。
銀行口座やクレジットカードをリストアップしておくことで、毎月引き落とされている会費などを見つけて解約することもできます。
アカウントやID・パスワードをリストアップする
ウェブ上のサービスにログインする際には、アカウントやID・パスワードが必要です。
ただ紙に書いてリストアップするだけではセキュリティ上問題があるため、金庫に預ける、スキャンして暗号化するなどセキュリティ上の対策を行いましょう。
預金はできるだけ少数の銀行口座にまとめる
銀行口座は死後に遺族が相続して相続人が引き出しや解約の手続きを行うことはとても大変です。
細かい銀行口座がいくつもあると余計な手間とコストがかかるため、生前に小口の預金は引き出してできるだけ少数の口座にまとめ、どのような口座がいくつあるのかを明記して保管しておきましょう。
クレジットカードもなるべく集約する
クレジットカードもできるだけ少ない枚数で運用できるよう計画的に少なくしていきましょう、
何枚もあるとスキミングなどで勝手に引き出されるリスクも高くなるため、不要なカードは解約しておきましょう。
クレジットカードは特に注意が必要
クレジットカードは定期的な支払いについて整理しておくなど、日頃からの管理が大切です。
亡くなるとクレジットカードの支払いは止まりますが、負債が増えることもあるため注意しましょう。
クレジットカードは基本本人が使用するものであるため、本人が亡くなると使用することができなくなります。
しかし、クレジットカードは財産分与が終わるまで強制的に停止される銀行口座とは異なり、強制的に停止されるものではありません。
月々の支払いや生前に購入した物の分割払いなどは生前からの負債であるため、引き落としが必要ですが、銀行口座が停止されると引き落としができなくなります。
亡くなった時点で生きている人の口座に振り替える手続きを行いますが、残された人が不要な引き落としの場合は請求元に連絡して停止する必要があります。
携帯電話の端末代金は負債であるため支払う必要がありますが、通話料金は月額で引き落とされるため早急に手続きが必要です。
ネットサービスは利用者以外がサービスの連絡先を把握して解約手続きを行うのはかなりの手間がかかることや、家族には何のサービスかもわからないものもあるため、生前に整理しておきましょう。
ネットサービスの自動引き落としなどはクレジットカードが無効になり引き落としがされなくなった時点で自動的に解約や休止になるものもありますが、各サービスによって異なるため確認が必要です。
オンラインショップのアカウントは相続ができないことになっており、基本的に消失してします。
アカウントには買い物金額に応じてポイントが付与されることもあるため、ポイントは積極的に利用しておく必要があります。
お金のデジタル終活まとめ
- ネットでの金融資産の取引分は目に見えないため、家族に分かるように伝える
- ネット取引口座ごとにID・パスワードを記載しておく
- 時価変動が激しい商品もあるため、チェック日を記載しておく
- 契約中の有料コンテンツは支払口座の情報も記載しておく