こんにちは遺品整理士の三島です。
親が倒れるなどで入院することは何の前触れもなく突然にやってきます。
急なことでも慌てることのないよう、親が倒れた時に備えて救急相談窓口から入院までの一連の流れを知っておきましょう。
目次
救急相談窓口
各都道府県には救急車を呼ぶべきか迷う場合に相談することができる「救急相談窓口」が設けられています。
親が住んでいる地域に事前に確認しておくと安心です。
「救急相談窓口」がない場合でも、厚生労働省のホームページにある各都道府県の「医療情報ネット」で夜間や休日に開いている地域の病院、診療科目、診察日、診療時間、対応可能な疾患治療内容などの医療機関の詳細を確認することができます。
広島県
広島市救急医療機関案内【082-246-2000】
救急医療Net HIROSHIMA【0120-16-9901】
岡山県
おかやま医療情報ネット
【http://www.qq.pref.okayama.jp/】
山口県
やまぐち医療情報ネット(医療機関の案内のみ)
【https://www.qq.pref.yamaguchi.lg.jp/qq35/WP000/RP000001BL.do】
島根県
島根県公式サイト
【https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/iryo/byouin-shinryosho/kyukyu-iryoukikan.html】
鳥取県
とっとり医療情報ネット
【https://medinfo.pref.tottori.lg.jp/】
最初の病院は「救急指定病院」
一般的に最初に搬送される病院は「救急指定病院(消防法の規定に基づき都道府県知事が告示・指定、3年ごとに更新)」です。
救急隊はその症状に適した最も近距離にある救急指定病院に搬送するのが原則となっています。
掛かりつけなどの理由で搬送先を希望するも可能ですが、症状や病院との距離、病院の受け入れ状況、希望理由などにより判断されます。
搬送先の病院が分かったらなるべく早く駆けつけ、スケジュールを確認して当面の予定の調整を行いましょう。
入院手続き
保証人
入院には、緊急連絡先、利用料金などの支払い、遺体や身柄の引取りなどを保証するための「入院保証人」が必要です。
入院保証金
一般的に5~10万円程度の入院保証金も必要です。保証人を立てることで入院保証金を不要としている病院もあります。
退院時に支払う医療費と相殺で清算されることが多いです。
入院時に必要なもの
提出するもの
健康保険証、後記高齢者医療被保険者証、診察券、入院申込書、連帯保証人、印鑑、入院保証金
入院生活で使用するもの
現金、パジャマ・下着、洗面・入浴道具、湯茶用具、食器類、タオル、スリッパ、日用品
入院中のスケジュール
入院する際には、治療や検査、看護ケアなどの内容やスケジュールが記された入院日から退院日までの予定表である「クリニカルパス」や「入院時診療計画書」が渡されます。
あくまでも計画であり、その時々の患者の状態に合わせて適宜変更して診療やケアが行われます。
事前に予定を知っておくことができるため大きな安心感につながり、確認したいことや疑問点がまとまり医師や看護師へスムーズに質問することができ、病院へ行く日も調整しやすくなります。
インフォームドコンセント
病院で親が手術・検査・治療を受ける際は同意書が必要です。
インフォームドコンセントという、医師は治療法や薬の内容について患者に十分な説明を行い、患者の同意の上で治療や投薬を実行すべきという考え方により同意書を求めれられます。
本来は患者本人の意思を尊重するものですが高齢などの理由で判断力がない場合は家族が同意を代行し、本人に判断力がある場合でも説明に同席を求められることも多くなっています。
同意書には「いかなる事態が生じでも、一切異議申し立てを行いません。」などの免責条項が含まれている場合もありますが、医師や病院側に医療ミスの疑いがあれば患者やぞの家族は提訴することも可能です。
必要性と危険性、メリットとデメリットをきちんと確認し、不明な点はしっかりと質問する必要があります。
インフォームドコンセントの主な内容
・検査・治療の方法
・手術の目的・方法
・手術により期待できる効果
・術後の注意点
・輸血
・麻酔の危険性
・合併症
セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、病気や治療法の理解を深めるため現在かかっている医師以外の専門医に意見を求めることです。
主治医からしっかりと説明を受けた上で別の医師の意見も聞いてみたい場合に行うもので、制度として存在している方法であるため遠慮は不要です。
紹介状(診療情報提供書)を書いてもらって検査データを借用します。
新たに診察を受けるものではないため、本人の同意があれば家族だけで話を聞くこともできます。
費用は健康保険が適用されないため1~3万円程度かかります。
主治医に相談することなく別の病院を受診することも可能ですが、セカンドオピニオンではなく初診となるため再度検査が必要です。
セカンドオピニオンの流れ
1.目的の明確化
現在の治療法が妥当かどうか判断する
他の治療法の有無を確認する
2.セカンドオピニオン先を決定
病気や治療法について勉強する
現在の主治医に相談する
3.質問をまとめる
質問することをリストにする
4.必要な書類を用意
主治医から紹介状と検査データをもらう
5.セカンドオピニオンを受診
別の病院の医師の説明を受ける
6.治療を受ける病院を決定
現在の治療方針に納得した場合はそのまま主治医の治療を受け、別の病院の医師の治療法に納得した場合は別の病院で治療を受ける
入院中の心配事は医療ソーシャルワーカー(MSW、ケースワーカー)に相談する
入院費用や入院生活上の不安などは医療ソーシャルワーカー(MSW、ケースワーカー)に相談することができます。
必須の資格はなく、社会福祉系大学などの専門教育を修了した人、社会福祉士・精神保健福祉士などの国家資格取得者などがなることができます。
相談費用は無料で、本人はもちろん家族にも対応可能です。医療ソーシャルワーカーなどの相談対応専門職員がいない場合は、医師や看護師に相談しましょう。
・入院や外来に伴う医療費について
・他の病院や施設の情報
・入院中の選択や身の回りの世話で困っていることを相談
・退院後の療養生活の準備について
・患者会や家族会について
・介護保険制度のサービス内容や活用方法について
・障害者手帳や障害年金の手続きについて
・病院施設や職員の対応、個人情報保護についての不満や疑問
付き添いは原則不要
現在は看護料が入院基本料に含まれており、原則、病院は家族に対して付き添いを強要することはありません。
治療上やむを得ない場合は認知症がある場合などは付き添いをお願いされることもあります。
断る場合は事故防止などやむを得ない場合に拘束や手袋使用などで身体行動に制限を加えることになることもあり、高齢者虐待とならないために身体拘束の同意書を求められる場合があります。
親の入院で付き添いが求められるケース
・危篤など容態が重篤である
・認知症などにより暴れたり騒いだりする
・認知症などにより管を抜いてしまうなど治療を妨げる
・術後で容態の急変が考えられる
パジャマや下着類はレンタルすることもできる
パジャマや下着類の洗濯は、病院内に専門業者が入っていることも多く、レンタルすることができる病院もあります。
入院中の洗濯方法
・家族が自宅に持ち帰って洗濯する
・病院内のランドリーを利用する
・病院内のクリーニング業者に依頼する
・パジャマやタオルはレンタルサービスを利用し、下着類は家族が洗濯する
・社会福祉協議会の入退院時サポートサービスを利用する