こんにちは遺品整理士の三島です。
親が入院した場合の費用はどれくらいかかるのかは心配なところですね。
すでに介護保険を利用している場合でも入院中は医療保険が適用されるため、介護保険のサービスを利用することはできませんので注意が必要です。
目次
入院時に必要となる費用
医療費の自己負担額
医療費(外来、入院)の自己負担額は親の年齢と所得によって異なり、所得が低い場合は軽減されます。
70歳未満の場合は3割負担、70~74歳は一般所得者・市町村民非課税者は2割で現役並み所得者は3割、75歳以上(後期高齢者)は一般所得者・市町村民非課税者は1割で現役並み所得者は3割です。
一般的に、月をまたいだ入院の場合は月末締めで翌月、退院時に清算の場合は退院日の前日くらいに概算の請求書が病室に届けられます。
食事代(1日3食)
食事代の自己負担は原則1食460円となっています。
差額ベット代(特別療養環境室料)
希望して個室などに入院した場合は差額ベット代が発生します。
1日あたりの平均差額は、1人部屋7,797円、2人部屋3,087円、3人部屋2,800円、4人部屋2,407円となっています。
おむつ代や先進医療など保険適用外の費用
先進医療とは、高度な医療技術を用いた治療法や技術、その他療養の中で公的医療保険の対象になっておらず有効性や安全性について一定基準を満たしたものです。
先進医療に係る費用は全額自己負担となりますが、それ以外の通常の治療と共通する診察や検査、投薬の費用は一般の保険診療と同様に扱われます。
先進医療との併用が可能となるため、一般保険診療と共通する部分は保険が適用され、各健康保険制度における一部負担金を自己負担として支払う必要があります。
家族の交通費など
交通の便が悪かったり遠方だったりする場合はタクシーを利用したりして交通費がかかります。
高額療養費制度
入院すると治療費や入院費、その後の通院治療費もかかります。
医療費が高額になった場合は軽減策として高額療養費制度があり、同じ月の中で医療機関に支払った医療費の一部負担金を合算して自己負担限度額を超えた部分は払い戻しを受けることができます。
75歳以上は保険証(70~75歳は高齢受給者証)を保健医療機関に提示することで、窓口で支払う1ヶ月分の医療費が一定の金額(自己負担限度額)までとなります。
さらに、住民税が非課税世帯の場合は健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証(役所が発行)を提示することで、保険医療機関の窓口での支払いが軽減されます。
限度額超の払い戻しがある場合は初回のみ申請書が送付され、2回目以降は登録した口座へ自動的に振り込まれます。
高額療養費は同じ月の初日から末日までの1ヶ月の受診について計算され、同世帯に後期高齢者医療制度など同じ医療保険に加入している人が複数人いる場合は入院・外来・診察料の区別なく自己負担額を合算することができます。
ただし、入院時の食事代や差額ベット代など保険診療の対象とならないものは高額療養費の計算には入りません。
民間の医療保険
民間の医療保険や共済に加入している場合は、入院・手術を行った際に給付金を請求することができることもあります。
保険証を探して内容の確認を行い、内容が理解できない場合は保険会社や代理店に問い合わせを行いましょう。
必要書類や診断書などの提出により、指定口座に保険金や給付金が振り込まれます。
入院中の請求も可能ですが、残りの入院期間の給付金は再度請求することになり、診断書発行の料金が2回発生することになるため注意が必要です。
民間の医療保健請求の手順
①申告
入院・手術を行った場合は保険会社に連絡をして申告書類を送付してもらう
②診断書記入
医師に診断書に記入してもらう
③書類送付
診断書などの必要書類を保険会社に送付する
④書類審査
保険会社が書類をもとに支払いの審査を行う
⑤給付
保険金・給付金が送付される
指定代理請求制度
指定代理請求制度とは、被保険者が自ら保険金請求手続きを行うことができない場合に、事前に決めた指定代理人が請求することができる制度です。
保険請求は請求に関わる手続きは被保険者である本人が行う必要がありますが、病状によって難しい場合に利用することができます。
指定代理人を決めていない場合は、後付けの方法があるかを保険会社に確認しましょう。
指定代理請求を行うことができるのは、病気やケガで判断能力を欠き被保険者本人が意思表示できない、被保険者が病名の告知を受けていない場合です。
指定代理請求人になることができるのは、被保険者の戸籍上の配偶者、被保険者の直系血族、被保険者と同居または生計を一にする三等親内の親族などです。
保険請求をしていなかった場合、約款上は3年まで請求可能としている保険会社が多く、さかのぼって請求することが可能です。
請求期限は通常、「支払事由の発生日(入院や手術を行った日)から○年」と約款で定められていますが、時効を過ぎても支払いに応じる保険会社もあるためあきらめずに問い合わせを行いましょう。
差額ベット代(特別療養環境室料)が発生しないケース
差額ベット代(特別療養環境室料)は基本的には1~4人部屋に入院した際にかかる費用で、健康保険適用の範囲外となるため個人負担となります。
厚生労働省によると、差額ベット代がかかるケースは、同意書にサインをした場合、患者自らが希望した場合となっています。
差額ベット代の説明を受けず、同意書の提示もなかった場合は支払う義務はありません。
同意書にサインをするよう求められた際は、経済的な事情がある場合は支払える余裕がないや大部屋を希望するとはっきり伝えましょう。
・同意書に室料の記載がない
・同意書に患者側の署名がない
・救急患者や術後患者などで、病状が重篤なために安静が必要
・常時監視が必要で適時適切な看護や介助が必要
・免疫力が低下し感染症に罹患するおそれがある
・終末期で集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和が必要
・MRSAなどに感染し、主治医などが院内感染防止のため実質的に患者の選択によらず入院させた場合
遠距離介護の交通費は介護帰省割引などを利用する
遠距離介護の場合は交通費が負担になることもありますが、日本航空、全日本空輸、スターフライヤーなどでは介護帰省割引などの運賃が設定されています。
介護帰省割引の利用には、介護保険証・介護認定結果通知書、戸籍謄本・戸籍抄本、公的書類(現住所記載)などの提示が必要です。
利用制限期間はなく予約変更も可能、割引率は3~4割と早期割引運賃よりも高額になりますが入院や介護では緊急に規制することもあるため助かります。
JRは介護帰省割引はないため、割引率の高いチケットを探すか、割引のある会員制ネット予約サービスを利用する、ジパング倶楽部(男性65歳以上、女性60歳以上)を利用する方法があります。
交通機関各社の株を購入し、株主優待割引の利用で50%割引になるものもあります。