終活

終活とは「人生の終わりのための活動」の略で、人間が自らの死を意識して、人生の最期を迎えるに当たって執る様々な準備や、そこに向けた人生の総括を意味する言葉です。

自分が亡くなった際の葬儀やお墓、遺言の準備、財産相続、身の回りの生前整理などを行います。

終活は、最後まで自分らしく生をまっとうするために行うものであり、遺される家族の悲しみと不安を和らげるために行うものでもあります。

終活を始めると限りある時間を有意義に過ごそうという気持ちが高まり、より充実した人生を送れるようになるでしょう。

●終活の進め方

【エンディングノートを書く】
エンディングノートとは、自分の終末期や死後に備えて遺される身近な人に伝えておきたい希望や情報を書き留めておくノートです。
家族や友人に対するメッセージ、延命措置に対する考え方、資産、相続など、何を書いても構いませんが、遺言書と異なり法的効力はありません。
あくまでも家族があなたの死後に様々な手続きを進めやすいよう、参考にしてもらうためのものという気持ちで書きましょう。
エンディングノートは書くことで気持ちが整理され、これからやるべきことを改めて発見することができます。

①自分に関すること
・本籍地
・生年月日
・健康保険証や年金手帳、保険証券、パスポートなど重要書類の保管場所
・家族の名前や家系図

②親戚や友人のこと
・入院した時や葬儀の時に知らせてほしい親戚や友人の名前と連絡先

③資産に関すること
資産に関することを記入する際は、一エンディングノートを紛失したり盗難など悪意のある第三者に見られたりした場合を想定して、暗証番号やクレジットカードの番号は書かないようにしましょう。
・預貯金(銀行名や口座番号)
・年金
・不動産、有価証券、骨董品、貴金属などの資産
・人に貸しているお金
・人から借りているお金(借入先、担保の有無)
・継承者

④医療や介護のこと
・かかりつけの病院
・いつも飲んでいる薬
・延命措置や終末期医療に関する希望
・臓器提供や献体についての希望

⑤葬儀について
・菩提寺の名前と連絡先
・葬儀の形式と予算
・喪主になってほしい人

⑥お墓について
・希望する埋葬方法や墓地
・予算
・事前に用意している場合はお墓の所在地
・お墓を継承してほしい人

【葬儀の準備(葬儀社や葬儀プランの決定、生前契約、遺影の撮影など)】

生前予約は、葬儀の規模や内容、費用、支払い方法などについて事前に葬儀社に相談して予約しておくシステムです。
自分の意思を葬儀に反映することができるため、最後まで自分らしくありたいという方、残された家族に、精神的にも金銭的にも負担をかけたくないと考えている方などにおすすめです。

・経営状態は安定しているか
生前予約は、相談をして申し込みの予約をするだけのもの、実際に葬儀の費用を積み立てたり先払いしたりしておくものなど、葬儀社によってさまざまです。
プランを決めて支払いまで済ませておくと遺される家族の負担をより軽減できると先払いを選ぶ人も多いですが、もし葬儀社が経営破綻などすると葬儀の施行や契約金の払い戻しなど難しいということになりかねません。
契約書を取り交わしてお金を先払いする場合は、葬儀社の経営状態をしっかり確認しておくことが大切です。
葬儀社によっては葬儀信託が用意されており、金融機関に葬儀費用を信託財産として預けておくことで亡くなったときは生前予約したとおりのプランで葬儀が行われその費用を預けたお金から金融機関が支払う方式です。
本人が亡くなる前(葬儀が行われる前)に万が一葬儀社が経営破綻してしまった場合、信託会社が保全している財産(預けた葬儀費用)は返金されます。

・葬儀プランの変更や解約はできるか
葬儀の生前予約は、将来のことに対する契約です。
予約をしてから時間が経てば、葬儀に対する考え方が変わったり、葬儀社の新しいプランに心移りすることもあります。
葬儀プランの見直しや解約ができるかということは、解約時に違約金が発生するかどうかを含めて事前に確認しておきましょう。

【お墓の準備(霊園の決定、墓石やデザインの決定など)】

お墓については石材店と相談しながら進めると良いでしょう。

・墓地を選ぶ
墓を持ちたいと思う環境や立地、埋葬形態などの購入条件を考え、優先順位を決めて条件を満たす墓地を探しましょう。
資料を取り寄せたり実地現地見学をしたりして、希望に叶った墓地を予約や契約します。

・墓石を選ぶ
墓石の形やデザイン、石種、彫刻、文字などを検討し、工事の契約をして墓を作ってもらいます。
墓石はオーダーに合わせて一つひとつ作り上げられますので、完成までおおよそ2~3ヵ月かかります。

【遺言書を書く】

遺言書は法的効力を持つものであるため、専門家の力を借りて書くのが重要です。
相続のトラブルを避けるために、財産の処分の方法を明確に決めておきたい場合は、エンディングノートではなく法的効力がある遺言書を書く必要があります。
遺言書は民法で定められた法的な文書で、書式から作成方法、効力、内容まで細かく規定されています。
指定の形式以外で作成されたものは無効になり、既定以外の内容は法的効力を持ちません。
遺言書は正しい作成方法で、法的な効力が発生する遺言事項を書きましょう。

遺言書の種類
・自筆証書遺言…遺言者が自筆で書く
・公正証書遺言…公証人が遺言者の真意を文章にまとめる
・秘密証書遺言…遺言者が作成し、署名捺印をした上で封じた物を公証役場に持ち込む

遺言事項
・身分に関する事項
・相続に関する事項
・遺産処分に関する事項
・遺言執行に関する事項
・その他、祭祀主宰者の決定や生命保険金受取人の指定や変更

【生前整理(身の回りの整理)】

生前整理を行う場合、一度に片づけようせず毎日少しずつ片付けていくのがコツです。
財産や書類、写真、本といった分野ごとや、部屋ごとなど、負担にならない範囲で着実に進めていきましょう。
物を処分する際は、何を捨てるかではなく何を残すかを決め、絶対に残したい物以外は処分すると決めて取り組むと、作業がスピーディに進みます。
また、残したい物の中で有価証券や不動産の権利書、骨董品、宝石といった財産は、目録を作って保管場所を記しておくと遺された家族が困らなくてすみます。

●生前整理をする理由

・エンディングノートに記載した書類等の保管場所をわかりやすくするため
・死後、遺族の遺品整理の手間を省き、大切な物を然るべき人に遺せるようにするため
・無駄のない、快適な余生を送るため

【お金の計画】

財産の一覧表を作りましょう。保有資産の一覧表を作ると、資産の合計が分かります。
この時、投資の組み替えや保険の契約の見直しを行うこともできます。
借金があると家族に迷惑がかかりますのでなるべく返し、 相続人が知らずに相続して大きな負債を背負うことのないよう借金も一覧表に書きましょう。
資産の整理は1回で終わりではありません。どんどん変化して行きますので、定期的に整理整頓することを習慣化しましょう。

【終末期医療の意思表示】

日常生活の関係では、見守り契約と後見契約があります。
見守り契約は認知症などいざという時に本人の代理はできませんが、 後見契約の場合はできます。
判断力が低下したときに人権を守ってもらうことができますが、 本人の代理ができるため信頼できる人にしましょう。
生命維持をしないと死んでしまう終末期となった時、どんな医療をしてほしいかを意思表示しておくことができ、救急処置や延命治療について事細かく希望することができます。
臓器提供の意思表示カードというのもあります。
親族が遠くにいる場合は、 葬儀や埋葬など死後の事務委任契約が必要になる場合もあります。

【介護を受ける準備】

介護サービスには、訪問介護やデイサービスに通うなどの在宅サービスや、施設に入所するサービスがあります。
施設に入所すると費用は高額で、在宅でも年間数十万円は必要です。
家をバリアフリーに改修したり、一人で心配な場合は様々な種類のある安否確認サービスに加入したりしましょう。

●終活を始める時期

終活は意外とやるべきことがたくさんあります。
仕事や子育ての忙しい時は、調べものや部屋の片付けなど、しっかりとやるのは難しいでしょう。
この時から始めなければならないといった決まりはありませんが、定年退職した後や、子どもが就職や結婚した後など、自分の時間が取れるようになった時がベストタイミングなのではないでしょうか。

終活を始める時期に早すぎるということはありません。
葬儀やお墓など、自分が亡くなった際にどのくらいの費用がかかるかが分かるので、老後の家計を把握しやすくなります。
身の回りの整理や、万が一の際に延命治療や臓器提供などをどのようにして欲しいか自身の意思を明確にしておくことなどは、年齢を問わず役立ちます。