生前葬

生前葬とは、存命している人物が自分自身の葬儀を行うことです。

人生の節目など元気なうちに感謝を伝える葬儀で、人生においてお世話になった友人や知人を招待して元気なうちに感謝の気持ちやお別れを告げる、社会的関係に区切りをつける場合に行われています。

●概要

生前葬とは本人が主催者となって生前に行う告別式です。

従来の葬儀や告別式とは異なり、本人がそれまでにお世話になった友人、知人を招待し、感謝の気持ちとお別れを告げることを前もって行い社会的関係に区切りをつけるもので、本人が直接、友人や知人に感謝の言葉を伝えることができるのが生前葬の特長となっています。

自らの生があるうちに、縁のある人やお世話になった人を招いてお別れと礼を述べるために行なう人が多くなっています。

本来出席できないはずの自分の葬儀に喪主として参加することができるため、思い通りのやり方で行うことができます。

そのため、無宗教であったり、音楽やスライドなどを多用した明るい葬儀であったり、一般の葬儀とは異なるイベント的な葬儀もあります。

形式はカラオケ大会や立食パーティー、自費出版の自分史を配るなど様々です。

日本では交際範囲の広い知識人が、自らの社会的活動の終止を告知する機会として開催することが多くなっています。

本人が本当に亡くなった後も、遺族により再び葬儀が行われることもあります。

●生前葬がオススメな方

・縁者らに自分の気持ちを伝えて区切りをつけたい想いがある方
・同世代の交友関係・仲間たちに先の気遣いをさせたくない方
・家族に葬儀の負担をなるべくかけたくない想いが強い方

●生前葬を行う主な理由

・自分の意思と責任で葬儀を行い見届けたい
・不義理、疎遠な人にも直接会ってお礼が言いたい
・余命を受入れ人生を大切に捉える機会としたい
・大切な人達と人生を振返り、その意義を再確認したい
・自分の死後、必要となる事柄に予め対処しておきたい
・高齢になるにつれ、体力的理由で葬儀に出席できない人が増えると予想されるため生前葬を行っておきたい
・社会的地位のある人が区切りをつけるために行う

●生前葬が普及しない3つの理由

・費用がかさむ

生前葬の費用は約54万~約116万円と言われています。

しかし、生前葬を行ったからといって、亡くなったときに何もしないでいいわけではありません。少なくとも遺体を処置するために、火葬まで行う必要があります。

生前葬は無宗教葬で行われることがほとんどで、無宗教葬とはお坊さんや神父さんなどの宗教者を呼ばないで、音楽や映像を流したり、友人がお別れの言葉を述べたり祭壇に献花を行ったりする形式のお葬式です。

生前葬に無宗教形式が多いのは、それに対応できる宗教者が少ないという背景もあります。

生前葬を行った人が亡くなった後、その家族に信仰がある場合はその宗教の形式で葬式を再度行うことが多いです。

儀式を2回行うことも多く、費用もかさみます。日本の葬儀費用は高すぎると言われる中、わざわざお金も手間もかかる生前葬を催す人は少ないと思われます。

・参加者を集めるのが難しい

葬式の参列者は減少傾向にあり、日本人の高齢化や、引退した後の人間関係の希薄化、高齢者の体力の低下など理由があります。

一般人が生前葬を行う場合も同じで、たとえ声を掛けても、参加してもらえるかどうかわかりません。また、生前葬はまだ多くの日本人にとってなじみの薄い行事のため、招待したとしても冗談ととらえられる可能性もあります。

一般の人が生前葬を行う場合、集客面でかなり苦戦することが予想されます。

・生前葬を催す度胸がない

男性は自分の死について考えることをとても嫌う傾向があります。

自分の葬式のことすら考えるのがイヤな男性が、わざわざ生前葬をしたいとは思う方は少ないでしょう。

●生前葬のメリット

・自分でお世話になった人たちに直接お礼を言うことができる
・一般的な葬儀よりも自由度が高く、自分の思い通りの葬儀を行うことができる
・形式にこだわらなければ葬儀費用を安くできる

●生前葬のデメリット

・葬儀形式を決めるのが難しい
・親族や参列者への配慮が必要

●生前葬の注意点

・実際に亡くなった時に、あらためて火葬を行わなくてはならない
・まだ一般的ではないので、参列者への配慮が必要となる
・事前に親族の理解と同意を得ておく必要がある
・場合によっては、火葬と含めて費用がかさむ可能性もある
・亡くなった時に、あらためて死亡案内等を送る必要がある
・火葬後の骨の処理方法や相続、遺品処理方法についてもまとめておく