成年後見制度

成年後見制度とは、判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で保護したり支援したりする制度です。

私たちは契約を前提とする社会に生きており、スーパーやコンビニなどで買い物するのも契約書を作ったり、印鑑を押したりはしませんが契約となります。

契約をするためには、自分の行為の結果がどのようになるか判断できる能力が必要となりますが、判断能力が不十分な場合はそのことにより不利益を被ってしまうこともあります。

そうならないように支援するための制度が成年後見制度です。

●成年後見制度の利用するといい方

・老後の財産管理が不安

老後を考えると、お金のことや健康、その他日常生活に関する様々なことが不安に思う方も多くなっています。ひとり暮らしの方は身の回りのことをすべて自分ひとりでやらなくてはならないため、より負担が増えます。

特に財産の管理は生活を維持するために最も大切な問題ですが、年をとるにつれて判断能力が衰えると貴重品の管理や家計のやりくりが困難になります。
認知症になってしまった場合は自らの力で意思決定をするが難しくなり、大切な財産を失うことになってしまうこともあります。

老後はお金に関することで誰かに支援を受けたいと考える方は、安心して老後生活を迎えるためにどのような制度があるかを知りあらかじめ準備をしておきましょう。

老後で心配になるのはお金です。収入と支出のバランスを考え、家計をやりくりしなければなりません。家賃や光熱費の各種支払いの手続きなど適切な収支計画を立てることで、無理なく安定した生活を送ることができます。

高齢にともない病気を発症するリスクも高くなりますので、突然病気になって入院することになった場合は入院手続きや入院費用の支払いも困難になります。
そのようなときに書類の記入などの手続きをしてもらうことができれば精神的な負担はかなり減らすことができ、治療費の支払いも銀行でお金を下ろすことになった場合は代行してくれる人がいると助かります。

介護施設に入居するための資金として不動産を売却したいと思っても、認知症で判断能力が低下している場合は契約の締結ができないこともあります。正確な判断が求められる大切な契約をするときは、信頼がおける人の支援が必要になります。

老後のひとり暮らしを安心して過ごすためには、財産の使い道や各種手続き、身上監護に関する契約において、適切な対応や判断が求められます。

・自分で人生を選択したい

ひとり暮らしをする人にとって心配なことは、自分の身に何かあったときに助けてくれる人がいないことです。歳を重ねてくると、もしアルツハイマーになったらという不安も出てくると思います。

成年後見制度を利用することによって、アルツハイマーになっても後見人を通じて自分自身で選んだ人生を生きることができます。

任意後見制度であらかじめ後見人を決めておきます。

自分の判断能力があるうちに話し合いで後見人を決め、その後見人に何をどのようにしてほしいかなどを伝えておきます。このとき何をどの程度まで後見人に任せるかは、話し合いで自由に決められます。

判断能力が不十分な状態になったときに家庭裁判所に申し立てをして、任意後見監督人を選任してもらい、その後、後見人が任意後見の監督の下、本人の意思に従って財産などの管理をおこないます。

アルツハイマーの症状が見られる前から後見人に財産の管理などを依頼する、任意代理契約もあります。これは通常の委託契約で、きちんと自分の意思に従ってくれているかを後見を依頼した本人がチェックします。任意後見制度と違い監督をする者がいないため、この契約を結ぶ場合は慎重な対応が必要です。

任意後見制度で決めた後見人は、後見を依頼した本人が生きていて判断能力が落ちた場合に代理で財産管理などをおこなうことのできる人です。死後の事務は任せることはできず、法定後見制度で利用できる同意権や取消権もありません。この点については注意が必要です。

任意後見制度を利用するためには、事前に決めた代理人が公的に後見人として認められていなければなりません。そのためにはまず公証人役場で公正証書を作成する必要があり、公正証書の重要事項は法務局に登記され、誰が後見人なのかや後見人にどのような権利があるのかなどが登録されます。

自分の考えを後見人に伝え契約しておくことで、アルツハイマーになっても自分で選んだ生き方をすることができます。後見人には家族や友人、弁護士、司法書士など信頼できる人を選びましょう。

●後見人になれない人

後見人となるためには特に資格は必要ありませんが、後見人となることができない人はいます。

・未成年者
・過去に家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
・破産手続きを行っている人(免責を受けた後には可能です)
・音信不通となっていて連絡が取れない人
・過去に本人に対して訴訟を起こしたことがある人や、その配偶者や近親者
・後見人にふさわしくない不正な行為や不行跡が過去にある人

●成年後見制度のメリット

・法律的な被害から守ってもらえる

年齢を重ねることにより、身体機能が低下したり判断能力が落ちて騙されたりすることがあります。

成年後見人は不正な法律トラブルから守ってもらえます。

不正な支出を勝手に行わないように財産を預けることにより、財産を守ることができます。

・既に契約した本人に不利益な契約を取消すことができる

自分で契約したものでそれが本来的には不利益となるような内容である場合、成年後見人を選任すると過去の契約を取り消すことことができます。

成年後見人は、法律的なトラブルを予防することも、既に発生していた法律トラブルにの取り消しも対処することができる点で非常に有益な制度です。

・信頼できる後見人に法律手続きをしてもらうことができる

成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2つの制度があります。

まだ元気なうちに任意後見制度を選択した場合には、自身が信頼できる人を自由に後見人として選ぶことができます。

認知症などになり法定後見制度により後見人がつく場合でも専門家がつくケースが多く、信頼できる人に法律手続きを行ってもらえるため安心することができます。

身内に相続が発生した場合には代わりに遺産分割協議書の手続きを行い、老人ホームに入退去する際にも契約手続きを行ってもらうことができます。

契約行為の細かい点をきちんと確認してもらうことや実印を預かってもらうことで、成年後見人が代わりとなって滞りなく手続きを進めることができます。

●成年後見制度のデメリット

・毎月成年後見人に支払う報酬が発生する

成年後見制度を一度利用することを決めてしまうと、自身の財産より成年後見人に対して一定額の報酬を支払わなければいけません。

成年後見をつけるための申し立て費用も必要です。
家庭裁判所への申請手数料を始めとして、場合により成年後見制度を利用すべきかの鑑定費用を要し、申立てを専門家に依頼する場合には30万~50万円程度の費用がかかります。

成年後見人がついた後の業務に対して支払う報酬としては、基本的に毎月2万円となりますが、資産が多い場合は更に上乗せして支払わなければいけません。

・節税対策が出来ない

成年後見人は自身の利益を守ることを目的として行動することが求められるため、自身が亡くなった後の家族や親族への節税対策をすることができません。

自身がが節税対策をすることによって得をするのは自身ではなく、残された家族や親族です。

贈与の非課税枠や相続税の基礎控除の枠を増やす対策をすることは許されないことになっています。

・成年後見人選任までに時間を要する

成年後見の手続きをを開始するためには、家庭裁判所に複雑な申請手続きをする必要があります。申請後も審査期間を要するため、平均して申立て後3ヶ月程度はかかります。

・一定の地位に就くことを制限されてしまう

成年後見人をつけることで、一定の地位に就任することができなくなってしまいます。

成年後見人をつけること社長になることができず、弁護士や司法書士などの士業などの仕事に従事することも欠格事由として制限されてしまいます。

成年後見制度を利用しなければいけない場合には、正常な判断をする能力が弱くなっているため、重要な業務を行う仕事に就くことは危険であると考えられているためです。

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