老前整理

老前整理とは、年を取って体が不自由になる前に、気力、体力、判断力のあるうちに行う整理のことです。

本人が元気なうちに身辺を片付けることは生前整理、どちらかというと家族が相続等で揉めないように財産の整理が中心で、自分の死後のことを考える整理です。

老前整理は、それまでの人生を整理し、身軽になり、その後の人生をよりよくするための、未来志向の片付けの考え方です。

年をとるほど、物の整理は体力や気力たいるのでめんどくさくなります。老人になる前に、自分の身の回りを見直してみましょう。そしてこれから先、自分がどうやって行きていきたいのか、なりたい自分を想像して整理を行います。

これからの自分を想像することは、前向きに生きることでもあります。本当に必要なものを取捨選択することで、物だけでなく頭と心も整理することができます。

老前整理とは、前向きにこれからの自分の人生を生きるために行うのです。

●40代の老前整理

40代では体力もまだ十分あり本当に大切なことも冷静に考えることができるため、老前整理に最適な年齢です。

元気で生活できている方は、まだ自分の介護について考えるには早い時期でもあります。身体のどの部分が悪くなるのかによっても生活が変わってきますので、介護については50代で考えましょう。

自分の葬式や遺言もまだ先と思われるため、あまり早く決めてしまうと後から考え直さなくてはいけません。

40代の老前整理は、自分の物を整理したり親や家族の物がどうなっているか把握したりすることが中心になります。

結婚している場合は、パートナーと老後について定年後には田舎に帰って生活したい、今より病院やスーパーが近い場所に引越したいなど、何となく話題にしておきましょう。

●50代の老前整理

50代の老前整理は、40代より具体的になってきます。自分の親の介護や葬儀を体験して、自分の時はどのようにするか現実的に考えられるようになっている年齢でもあります。

預貯金やローン、資産などの現状が自分ですぐに把握できるようにしておきましょう。遺言を書く場合も、どの程度資産があるかを確認しておく必要があります。

40代に引き続き、物の整理は何年かおきに行いましょう。

●老前整理のポイント

・物は見るだけでなく一度外に出す

一度外に出して、本当に使うのか考えましょう。

押入れの中には覚えていないものも入っているため、一度全部出さないと結局は整理をすることはできません。物は見て終わらせるのではなく、引っ張り出して中身を点検してみましょう。

もし壊れていたら扱いも変わってきます。いつまでも壊れているものをしまっていては場所がもったいないので、道具類なども一年に一度はチェックや手入れが必要です。

・少しずつ時間をかけて

老前整理は自主的に行うことなので、特に締め切りはありません。慌てずに、自分の生活のペースに合わせて行っていきましょう。

あまり最初から完璧を目指そうと張り切ってやると、息切れしてしまい続かないこともあります。1日15分ずつとか、今日はこの引き出しで明日はこの棚というように、時間をかけて少しずつ行うようにします。

ただ締め切りがないとついつい後回しにしたり続かなかったりしてしまうこともありますので、大まかなスケジュールを立ててみましょう。

・物に対する意識を変える

物が多いということは、今まで使っていなかった物でも捨てなかったということ。なぜ捨てなかったかというと、そのうち使うかもしれないという意識があったためです。

まずその意識を変えないと、老前整理は上手くいきません。

物を捨てても思い出が消えるわけではないのです。思い出があるものは、写真に撮ってから処分するという方法もあります。

もったいないと捨てないでいても、仕舞い込んで使われずにスペースだけとっていることのほうがもったいないのです。

どうして捨てたくないのか理由を考え、理由があいまいなものは思い切って処分すると意外とすっきりした気持ちになるかもしれません。

残すと決めたものは積極的に使用し、来客用の高級食器や高価なアクセサリーなども日常的に使って積極的に暮らしの質を高めましょう。

・リバウンドを防ぐ

老前整理を行った後も大切。せっかく整理しても、数年経ったら不要な物が増えていたのでは本末転倒です。

片付け以上に、すっきり片付いた状態を維持していくのは困難なことです。意識を変えるが定着していないと、同じことの繰り返しになってしまいます。一度やって終わりではなく、定期的に見直して整理していくことも大切です。

収納はモノ7~8分目くらいにしましょう。100%詰め込んでしまうとどこに何がどれくらいあるのか把握できず、結果的に同じものをいくつも買ってしまうことになってしまいます。

物を購入する際には、本当に必要な物か、今ある物で代用できないかなどを考えましょう。老前整理を行った後であれば、価格に見合ったものなのか、本当に使うものなのか、物を見極める目も養われているでしょう。

●老前整理の方法

・使う物と使わない物に分別する

まず、全ての物を使う物と使わない物とに区別するところから始まります。

自分が現在所有している全ての物について、現在も今後も使用すると現在も今後も使用する予定がないモノとに分けます。

現在使用していない物でいつか使用するかもしれない物をどのように判断するか。

いつかがはっきりとした期日であればそのまま残しておいてもいいですが、いつかそのうちであれば思い切って使わない物に入れる勇気が必要です。

ここで大事なポイントは使えると使うは違うということです。物主体ではなく、自分主体で考えてみましょう。

・使わない物を処分する物と残す物に分別する

使う物と使わない物とに区別した後は、使わない物に分類された物をさらに整理し、処分する物と残す物に分けます。

この段階での残す物は、当分の間使う予定はないが数年の間に極めて使う可能性がある物ということです。

それ以外の物は、現在使っていない、しかも数年後にも使うか可能性が低い物ということになります。これが処分する物です。

数年後にも使うか可能性が低い、使うかもしれないはここに該当します。かもしれないということは、可能性が低いということになるからです。

処分する物にするか残す物にするかで迷った場合には、「保留BOX」を作ってその中に入れておきます。その際にその箱に考え直す日付と何が入っているかを明記します。

記入した日付になったら、「保留BOX」から保留された物を取り出して、再度処分する物と残す物に分けます。このときには、再度「保留BOX」を設けず、どちらかに分類するようにします。

・処分する物を処分する

最後の段階は、処分する物に該当した物を実際になくす作業です。

本や古着など売却することができるものはまとめて買い取ってもらいましょう。大量にある場合は出張して買い取ってくれる業者もあります。

再利用ができなそうな可燃物の物は、ゴミ袋にまとめて捨てましょう。

家電や家具などは各自治体によって処分方法が違いますので、市区町村役場のルールに従って処分してください。

処分のコツはできるだけ大きい物から処分していくことです。大きい物から片付いていくと空きのスペースが目立つようになり、気分的にもスッキリします。

●老前整理の分類方法

・分類ボックスを作る

整理する時は、分類ボックス「使う」「捨てる」「リサイクルショップ、オークション行き」「保留」を作りましょう。

「使う」「捨てる」だけだと、どうしても迷ってしまいます。

・捨てるだけでなく売ることも視野に

整理のコツは、まだ使えるではなく本当に使うかがポイントです。

老前整理としては、1年以内に使用する予定があれば「保留ボックス」に入れるのがポイントです。使用する予定が無ければもったいないので新品同様の中古としてオークションで売却する方法もあります。

捨てればゴミになってしまいますが、次に誰かが使ってくれればその物も再び使われて役に立つことができます。

・疲れたら今日は作業を止める

整理を行うと、出てきた昔の手紙を読んだり新聞を読んだりして、時間がとられてしまいます。そういったものは保留ボックスに入れておきましょう。その場で捨てようかどうしようか、一つひとつ悩んでいては時間がいくらあっても足りなくなります。

迷ったら今はとりあえず保留ボックスに入れるようにすれば、作業もはかどります。

作業がだんだん面倒くさくなって全部捨てようと考えるようになったら、判断力が鈍っているのでしょう。今日の作業は終わらせましょう。

・整理する場所と時間を決める

一度に家の中を全部整理しようと思うと何日もかかってしまいます。疲れてくると思わぬケガだってしかねません。

まずは家全体の整理計画を立てましょう。簡単な間取り図を描いて、押入れは今週、タンスは来週というように、場所と時間の計画を立てます。

老前整理をしないと生活できないわけではないので、頑張りすぎず、完璧を目指さずにスタートしましょう。

・1日に1つの引き出しでも良い

老前整理は一度に捨てることではなく、本当に必要なものを見極めることが大切。スローペースでも良いのです。

・迷ったら一週間後に捨てるか考える

捨てようかどうしようか迷うことがありますが、そのような場合は少なくとも一週間程度は頭をクールダウンさせたほうが良いでしょう。

このクールダウンする時間がとても大切。物の選択は、自分の人生の取捨選択の時間でもあります。

・収納場所は決めておく

老前整理は捨てることばかり考えがちですが、大切なのは整理によって新しい生活をスタートさせることです。

老いても快適に暮らせるよう、よく使うものはかがまなくても、椅子に乗らなくても手に取れる場所に置いておきましょう。

高いところに収納すると、物を出し入れする時に脚立や椅子から落ちてケガをしてしまうかもしれません。天井に近い部分の押入れには物を置かないなど、自分の中で収納のルールを決めておきましょう。

・物に対する考え方が変わる

物を捨てることに抵抗感や罪悪感は誰にでもあります。しかし、家に物を溜め込みすぎてしまい、どこに何があるのかわからなくなってしまうと、そのほうが物を大切にしていないことになります。

もったいないと思ったら、一度に捨てずに「保留ボックス」に入れましょう。

不要だと思ったものを全て捨てる必要はありません。売れそうなものはリサイクルショップに出したり、フリーマーケットで売ったり、オークションに出したりする方法もあります。

●使うかどうか見分けるポイント

過去2年間使わなかったものは、この先使う機会はほとんどありません。

リサイクルショップに引き取ってもらったり、フリーマーケットで出したり、あるいは捨てたりと、処分方法を考える時期に来ています。

迷ったら、次はいつ使うものなのか、使う人は誰なのか、使う場所は決まっているのかなどを考えてみましょう。

使う目的が無ければ、自分にとってはあまり必要のない物になります。

●老前整理の注意点

・自分のものだけ整理しよう

子どもの物が出てきたら、小さかった時のものだから、最近あまり家に来ないからと勝手に判断して捨てないようにしましょう。

亡くなった家族のものでも、家族会議が必要なものは一人で処分せず、他の家族に聞くことが大切です。

・完璧主義にならない

一度に全部整理を行おうとすると無理が生じます。面倒になって全部捨ててしまって、後から後悔する場合もあります。

大切なのは整理作業をすることで、自分の物と心をリセットしてあげることです。

面倒だから全て捨てるという気持ちになってしまったら、一度作業をストップして頭をクールダウンさせましょう。

・地震や災害のことも考える

大きな地震が起こった時のことも考えておくことが必要です。

タンスの上に重い物を置いていたら、落ちてき命を落とすということにもなります。

・思い出の品は大切に

手紙や子供の頃に描いた絵など、思い出のあるものは取っておきましょう。整理作業の基本として使わない物は捨てます。

しかし思い出の品は使うためのものではないので保留したり取っておきます。老前整理で部屋を整理すると、本当に大切なものを飾ってみたり、すぐ見ることができるようにもなります。

何を思い出の品とするかの判断は必要です。

・収納用品は買わない

収納場所は今あるタンスや棚だけにします。箱ばかり増やしてしまっても、整理作業にはなりません。
右にあるものを、左の箱に移動させただけになって、結局は捨てることはできません。

●老前整理の必要性

・年をとると疲れやすくなる

片付け作業は、今しなくても後ですれば良いと思うかもしれません。それは、まだ自分に体力や気力があるからそう思えるのです。

もっと年をとると、毎日の生活で手一杯になってしまいます。

・年をとった時と今とでは快適な生活が違う

年を取ってからの暮らしと、今の暮らしの快適さはポイントが違います。

健康な今の視点ではなく、未来の自分のために体が不自由になった時のことを想像して整理するのも老前整理の特徴です。

・探し物は体力のあるうちに

体の調子が悪くなってからでは片付けをすることはできません。
元気な今だからこそ整理作業もできるのです。

・誰にも頼らず生活できるようにする

今は家族がいても子どもは独立し、結婚相手に先立たれた場合など一人で生きていく可能性もあります。独身でなくても独居老人になることもあるのです。

今の自分の家の状態で介護用ベッドを入れることができるか、元気な時は階段を上がれたけれど足が動かなくなったら1階が生活の主な場になるなど、現在の部屋の使い方自体も見直す必要があります。

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