介護付き有料老人ホーム

介護付有料老人ホームとは、食事介助、入浴介助などの介護サービスが受けられる有料老人ホームです。

介護保険法上の様々な基準を満たし、 特定施設入居者生活介護(特定施設に入居している要介護者に対して日常生活などのお世話をすること)の指定を各都道府県から受けています。

基準を満たしている有料老人ホームのみ、介護付有料老人ホームと言えることになっています。

日常生活を送る拠点としての役割を果たしているため、 施設には24時間体制で介護スタッフがおり、緊急時には医療機関との連携により即座に対応することができます。

介護付有料老人ホームには、要介護1以上の方を入居対象に限定した介護専用型、要介護認定を受けていない自立の方から要支援や要介護の方でも入居できる混合型があります。

医療行為が必要な方でも入居できる24時間看護師が常駐している施設もあり、サークル活動やレクリエーションなど入居者が交流できる活動を積極的に行っている施設もあります。

●介護付き有料老人ホームの種類

・介護専用型

介護度が重度の方を迎え入れることが可能になるよう作られた施設です。
入居対象者を要介護度1以上に限定しているため自立している方は入居することはできません。

・混合型

要介護認定のない方でも入居できる介護付有料老人ホームです。
夫婦で入居する場合、どちらかが要介護状態でどちらかが自立している場合は介護専用型には入居できませんが、混合型であれば同時入居が可能です。

●スタッフ

入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、 スタッフを配置することが定められています。

スタッフは入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数を配置することとされています。

・施設長などの管理者

施設経営の責任者として運営を担います。
高齢者の介護について知識、経験を有することが条件です。

・生活相談員

入居者や家族から生活上の相談を受けたり、行政的な手続きを行います。
常勤で1人以上の配置が義務付けられています。

・栄養士(管理栄養士)

入居者の健康を維持する献立を考えたり、食材の選定や管理を行います。

・調理員

献立表に基づき、食事の調理を行います。

・介護職員及び看護職員などの介護従事者

入居者の身体介護及び看護を行います。
要介護者3人に対して1人以上の配置が義務付けられています。(要支援者に対しては10人に対して1人以上)

・機能訓練指導員

理学療法士、作業療法士、言語療法士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の資格を有する者が機能訓練指導員となり、個々の状態に合ったリハビリテーションを行います。
各施設1人以上の配置が義務付けられています。

・ケアマネジャー(介護支援専門員)

入居者の目標に沿ったケアプラン(介護サービス計画)を立案します。
1人以上の配置が義務付けられています。

●提供しているサービス

・介護

介護が必要な方に対して、食事や入浴、排せつなどの介助や機能訓練などを行います。
介護度の重さや認知症の有無など身体状況に応じて、残存能力を引き出す工夫も加えながら自立支援に向けた介護が提供されます。

・生活支援

居室の清掃や洗濯などの家事サービス、買い物や行政手続きなどの代行サービス、本人不在中の居室の管理、入院中の洗濯物や必要品の購入やお届けなども行います。

・健康管理・医療行為・緊急対応

看護師が日中は常駐しており、検温や血圧のチェック、服薬管理などの日常の健康管理、皮膚疾患、軽いケガなどの処置が行われます。

協力医療機関との提携による定期的な健康診断や訪問診療も行われ、内科や歯科については定期的に医師の診断を受けることもできます。

胃ろうなどの経管栄養、尿バルーン・ストーマ(人工肛門)などの管理、在宅酸素の管理などの医療行為も行われます。
夜間の痰の吸引や食事前のインシュリン注射などが必要な方は、看護師の勤務時間によって受け入れ可否が決まります。

夜間の緊急時は、看護師が勤務時間外であればオンコール体制を整えるなどの処置を行い、医療機関に搬送するなどの対応を行います。

・食事

食事は入居者の健康管理の重要な要素で、栄養バランスが考えられています。

旬の素材を使ったメニューや正月、ひな祭り、クリスマスなどの年中行事によって季節感を出し、楽しんでもらう工夫もしています。

嫌いな食材は好みの食材に変更するなど個別の嗜好にもできる限り対応し、嚥下力に合わせた刻み、トロミなどの形態や、塩分やカロリー制限などの医療食にも対応しています。

マグロの解体ショーを見せてお寿司にしたり、お祭りの屋台を再現したりなど、イベントと絡めて日常と違う食事を楽しむ企画もされます。

・リハビリテーション

現在の身体機能や認知機能を低下させないよう、リハビリが行われます。

理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が、器具を使った歩行訓練や筋力強化、嚥下機能維持や改善の口腔体操などのメニューを実施して、日常生活における自立を促します。

脳トレや音楽療法、園芸療法なども取り入れ、認知機能の低下を防止します。

・レクリエーション、イベント

スタッフが企画したゲームや運動、カラオケ、手芸、専門講師を招いた本格的な教室などが行われています。

これらは、身体機能や認知機能低下を目的としている内容もあります。

お花見や夏祭り、紅葉狩りに餅つきなど季節を感じるイベントも行われ、ミニ旅行やお買い物ツアーなどが企画されることもあります。

●介護付き有料老人ホームのメリット

介護付き有料老人ホームはホーム内にケアマネージャーがおり、施設側で介護プランを立てて介護サービスを定額で提供してくれるなど、他の老人ホームや介護施設に比べて様々なメリットがあります。

・身体の状態や価値観に合わせて自由に選ぶことができる

民間の事業者が中心になって運営しているため、入居者を増やすための工夫はさ様々です。

元気な方が中心に入居しているホームの場合は、たくさんのレクリエーションやイベントを開催したり、カラオケのような娯楽設備を備えているところもあります。

インテリアや居室の品質、食事のメニュー、生活サポートのサービスなども多種多様です。

どのような生活を送りたいのか、身体の状態はどのようなものかなど、高齢者ひとりひとりの嗜好や状況に合わせて選ぶことができます。

最近では医療ケアやリハビリに強いホームも増えてきています。

・介護職員や看護職員が常駐する安心感

ホーム内に介護職員と看護職員が常勤しており、夜間の要望などにも応えてくれます。

自立生活が可能な状態で入居した方が介護を必要とするようになったときも、引っ越すことなく介護サービスを受けることができます。

医療依存度が高い方に関しては、お部屋での看取りにも対応している場合が多いようです。

●介護付き有料老人ホームのデメリット

・入居一時金、月額費用が公共型の施設に比べて割高

一生涯住み続けるための利用権を得るために、前家賃として入居一時金を支払わなければならないホームが多く、その金額が数百万円から数千万円ととても高額になってしまうのです。

しかし、最近では入居一時金を無料にしている施設も多くなっています。

公的な施設より月々の費用も割高になっています。

・選択肢が多い分、老人ホーム探しに時間がかかる

設備やサービスが様々で選択肢が多い分、どのホームが自分に合っているかを選ぶのに時間がかかってしまうこともあります。

・不自由さを感じることもある

自立した人と介護を必要とする人が同じ空間で生活するようなホームの場合、元気な人は生活に不自由さを感じてしまうこともあるようです。

●控除の対象

介護付き有料老人ホームに入居した場合には、控除の対象となる場合があります。

・扶養控除

扶養控除は、対象家族が有料老人ホームに入居しても対象となります。
しかし、扶養配偶者や親族の年齢、同居の有無などにより控除額は変わります。
扶養している70歳以上の親などが有料老人ホームに入居している場合は、同居老親等以外に該当します。

・障害者控除

配偶者・扶養親族が、精神障害者保健福祉手帳を交付された人、身体障害者手帳が交付され、身体上の障害がある人と手帳に記載されている人など所得税法上の障害者に当てはまる場合に、配偶者・扶養控除の他に障害者控除が受けられます。

特に重度であると認定された方は特別障害者となります。

・医療費控除

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設での施設サービスの対価(介護費、食費、居住費など)については医療費控除対象となりますが、有料老人ホームの費用については対象となりません。

おむつ代が医療費控除の判定基準を超えていたり、ホーム内で訪問医などによる治療費が発生した場合は医療費控除として申告が可能です。

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